「デジタル庁」キーパーソンが語る「3つの柱」 内閣府・藤井比早之副大臣インタビュー

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   菅内閣が重点政策のひとつとして掲げるのが「デジタル庁」の設置だ。行政のデジタル化の遅れが指摘される中で、デジタル庁の発足で国民生活はどう変わるのか。内閣府で、縦割り打破やデジタル改革など幅広い分野を担当するのが、藤井比早之(ふじい・ひさゆき)副大臣だ。

   自治省(現・総務省)から衆院議員に転じたという経緯もあり、直接の所管ではではないものの、官僚の働き方改革についての思い入れも強い。デジタル庁のビジョンや、官僚の「やりがい」について、藤井氏に2回にわたって聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • 内閣府の藤井比早之(ふじい・ひさゆき)副大臣。縦割り打破やデジタル改革など幅広い分野を担当している
    内閣府の藤井比早之(ふじい・ひさゆき)副大臣。縦割り打破やデジタル改革など幅広い分野を担当している
  • デジタル庁が目指すビジョンでは、大きく3つの柱を掲げている(写真は「デジタル改革関連法案ワーキンググループ」がまとめた「デジタル社会の目指すビジョン(案)」)
    デジタル庁が目指すビジョンでは、大きく3つの柱を掲げている(写真は「デジタル改革関連法案ワーキンググループ」がまとめた「デジタル社会の目指すビジョン(案)」)
  • 内閣府の藤井比早之(ふじい・ひさゆき)副大臣。縦割り打破やデジタル改革など幅広い分野を担当している
  • デジタル庁が目指すビジョンでは、大きく3つの柱を掲げている(写真は「デジタル改革関連法案ワーキンググループ」がまとめた「デジタル社会の目指すビジョン(案)」)

「ニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる」とは...?

―― 藤井副大臣は、内閣府では平井卓也デジタル改革担当相と河野太郎行政改革担当相の2人に仕えているということで、担当分野はきわめて広いです。どういった分野を担当していますか。

藤井: 担当しているのは、縦割り打破、規制改革、行政改革、デジタル改革、デジタル庁の新設、情報通信技術(IT)政策、それからマイナンバー制度、沖縄及び北方対策等ですね。そのうち重点分野ということになると、やはりデジタル改革とかデジタル庁の新設というのは非常に大きな柱です。さらに、これとリンクしてくる縦割り打破の関係で言えば、新型コロナの影響でテレワークの必要性が増す中で、押印や書面、対面の見直しも求められています。これを、いわば省庁の縦割りを排してワンストップで行う、といったところが大きなところになってきます。

―― 菅政権の目玉政策のひとつが21年9月のスタートを目指す「デジタル庁」ですが、具体的には何をするのか、いまひとつイメージが伝わりません。

藤井: デジタル庁が発足して民間の方にも参加していただいて、ビジョンを目に見える形にすることが大きな目標です。11月26日に開かれた「デジタル改革関連法案ワーキンググループ」では、「デジタル社会の目指すビジョン(案)」を示していただいています。「デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」というのが大きなビジョンで、具体的には大きく3つの柱を掲げています。

―― それぞれ聞かせてください。

1つが「ライフイベントに係る手続の自動化・ワンストップ化」。例えば、保育園への入園手続きといったものは、スマホでワンストップでできるようになります。それ以外にも、引越しした場合に、オンライン上で一括で手続きし、引っ越し前と同一の住民サービスが受けられたり、出生、就学、子育て、介護などのライフステージに合わせて必要となる手続きについて、時間軸に沿った最適なタイミングでプッシュ型の通知が受けられるようになったりします。
2つ目が、「データ資源を活用して、一人一人に合ったサービスを」。例えば、散在する健診情報、既往症、薬歴、日々のバイタル情報等の安全安心な連携活用により、いつでもどこでも一人一人の状況に合った健康医療福祉サービスが受けられるようにします。ヘルスケアの分野でのデータ活用は非常に重要で、オンライン診療や新型コロナウイルス感染症の対応として実施してきた施策を恒久的に実施していくということも大切です。
さらに、スマホひとつで、電車やバスなどの公共交通機関やタクシー、カーシェアリング、レンタサイクルなど目的地までの最適な交通手段をストレスなく選択できるようにします。
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