20代官僚9人が「働き方改革」に乗り出した きっかけは河野氏...省庁越えた「ミライの霞ヶ関」への思い

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河野氏「今、霞ヶ関の多くの若手のグループから意見や提案を伺っている」

   プロジェクトはすでに次の動きを始めている。11月19日、前出の未来の霞ヶ関像や、政策立案・実行に集中できる時間を捻出するための働き方改革、そのための労働実態調査などについて、実際に河野氏に提言した。

   河野氏も霞ヶ関の働き方改革に前向きだ。11月18日のブログでは、20代の国家公務員総合職(いわゆるキャリア官僚)の自己都合退職者が、19年度は13年度(21人)から4倍以上にあたる87人に増えたことへ危機感を示した。「国家公務員の働き方改革を進め、霞ヶ関をホワイト化して、優秀な人材が今後とも霞ヶ関に来てくれるような努力をしっかりと続けていきます」としていた。

   河野氏は11月24日の会見でも、霞ヶ関の若手の退職に対する問題意識を問われ、「長時間労働」と「仕事のやりがい欠如」を指摘。「特に若手に関しては、志を持って入ってくれたにもかかわらず、国に関する実務というよりは様々なロジ業務になってしまっているところがあろうかと思います。長時間労働については今、在庁時間の確認をしています。とりあえず10~11月と思っていますが、必要とあれば続けていくことも考えなければいけない。まず見える化を進めながら、必要な措置をとっていきたいと思っています」と方針を示し、こう述べていた。

「仕事のやりがいにつきましては、今、霞ヶ関の多くの若手のグループから意見や提案を伺っているところです。聞いてみると、確かにそんなことまでやらなければいけないのかというものがございますので、そういうものはまず1つずつ、つぶせるものはしっかりつぶし込んでいきたいと思っています」

   上田さんは、若手の辞職が増えている現状に「悔しさはあります。社会をよりよくしていきたいと思った志ある方、優秀な先輩方が去っていく。それを見るのは私個人としても悲しかったし、日本のためにも勿体ないと思います」と表情を曇らせる。それだけに、先の河野氏の発言を受け、

「私たちの提言の趣旨が伝わったのだろうと思いました。労働実態調査は働き方改革の第一歩です。河野大臣の検討状況を注視しながら、私たちは自分たちの省庁でできることに取り組んでいきたいです」

と手応えを感じている。

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