20代官僚9人が「働き方改革」に乗り出した きっかけは河野氏...省庁越えた「ミライの霞ヶ関」への思い

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   省庁の垣根を越えた官僚有志が「霞ヶ関の働き方改革」に乗り出す。集まった9人は全員20代、入省1~3年目と若い。「若手が考えるミライの霞ヶ関プロジェクト」の名で2020年11月、活動を開始したこのグループ。「霞ヶ関をもっと良い政策づくりの場にしたい」という思いが根幹にある。

   立ち上げの決め手となったのは、河野太郎行政改革担当相の就任だったという。プロジェクト発足の経緯、具体的な活動、そこにかける思いを聞いた。(なお、記事で紹介するプロジェクトメンバーの発言は、あくまで個人的な意見であり、所属組織を代表するものではない。)

  • 河野太郎行政改革担当相に提言した「若手が考えるミライの霞が関プロジェクト」のメンバー
    河野太郎行政改革担当相に提言した「若手が考えるミライの霞が関プロジェクト」のメンバー
  • 河野太郎行政改革担当相に提言した「若手が考えるミライの霞が関プロジェクト」のメンバー

「問題だと思いつつ変わらなかった慣習や制度が変わりつつある」

「集まったメンバーは、『霞ヶ関をもっと良い政策を作れる場所にできないか』という問題意識を持っていました。世の中をより良くしたい思いで行政官を志したのに、今は果たせていないのではないかというもどかしさがあります」

   プロジェクトメンバーの1人、経済産業省に入って3年目の上田悠久(はるか)さん(26)が11月27日、J-CASTニュースの取材にそう話した。

   「若手が考えるミライの霞が関プロジェクト」は、立ち上げとともにツイッター(@miraigaseki)を開設して情報発信を続けている。「note」でも11月19日、プロジェクトへの思いなどを3000字超にわたって投稿。ここでその全文は紹介しないが、「政策をつくる現場にいる私たちと皆さんの距離をもっと近づけて、たくさんある社会課題を本当に解決できるようになっていきたい」「そのために、霞が関の『人と組織の改革』を進めて、様々な業種の方とこれからの日本について、立場を超えて一緒に作っていきたい」といった未来の霞ヶ関像を詳細に書いている。

   プロジェクト立ち上げのきっかけは、9月に発足した菅義偉内閣で、河野行革担当相が就任したことだった。

「河野大臣は就任してすぐ、『青枠』や『こより綴じ』の廃止を決めました。これは閣議決定の文書に用いられるもので、印刷用紙に青い枠があって、印刷される文字とこの青枠との間隔が厳密に決められていました。印刷して2~3ミリずれたら、もう文書として受け付けてもらえません。50部ほどの文書を1ミリ単位で正確に印刷しなければならず、定規で測って、アウトだったら刷り直すという作業をしていました。

印刷した文書は、紙ができるだけ傷つかないよう『こより』で穴を開けて紐でとじるという作業もしていました。こうした作業は『機械で穴開けできるのになぜこよりなんだ』と疑問に思った職員もいました。

河野大臣の就任を機に、1つ1つは小さいことですが、問題だと思いつつ変わらなかった慣習や制度が変わりつつあると思いました。そこで私と同期の職員との間で、今回のプロジェクト発足の議論が盛り上がり、関心ある若手職員に声をかけて集まりました」(上田さん)

   メンバーは経産省のほか、厚生労働省、総務省、環境省などに身を置く9人。活動は業務外に個人として行い、所属組織での業務とは切り離している。

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