道幅や路肩の広い高速道路、自動車の性能向上
しかし、新東名のように旧来の高速道路に比べて道幅や路肩が広く、カーブが少ないなど、時速120キロで安全に走行できる高速道路が各地に誕生した。
さらに国内を走る自動車の動力性能と安全性能が格段に上がったことから、多くの高速道路で実勢速度が時速100キロを超え、新東名(新静岡IC~森掛川IC間)では122キロとなっていた。このため警察庁は実態を踏まえ、2013年から、制限速度の見直しを進めてきた。
海外の高速道路では、原則として制限速度のないドイツのアウトバーンが有名だが、一部区間に規制があるほか、時速130キロを推奨速度としている。
フランス、イタリアはともに制限速度が時速130キロ、英国は70マイル(112キロ)。米国は州によって異なり、ニューヨーク州は65マイル(104キロ)となっている。
このほか欧州では、デンマークが2004年に時速110キロから130キロ、スウェーデンが2008年に110キロから120キロに引き上げるなど、120~130キロが主流となっている。
世界一の自動車生産国となった中国も、高速道路の制限速度は時速120キロ。自動車先進国の日本は制限速度の緩和では海外に遅れをとってきたが、ようやく欧米諸国や中国と並ぶ120キロが実現することになった。