菅政権の「追加経済政策」に、新聞各紙がそろって辛口なのは何故?

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非常時とはいえ...財政規律の議論は置いてきぼり

   だが、経済対策は問題点も指摘される。

   まず、国債の大量発行だ。対策の裏付けとして、国の2020年度第3次補正予算案と2021年度当初予算案に計30.6兆円を計上。さらに、国が低金利で貸し出す「財政投融資」や地方の負担を合わせ40兆円規模ということになる。3次補正は一般会計と特別会計を合わせて20.1兆円程度になる見通し。政府は4月、5月に事業規模計230兆円の大型の経済対策をまとめ、当初予算を含めた2020年度の国債発行額は既に90兆円を超えている。3次補正も大半は国債で財源を賄うため、当初見込んだ税収のコロナ禍による落ち込みの穴埋めも含め、2020年度の国債発行額は空前の100兆円を軽く突破することになる。コロナ禍という「非常時」であるとしても、財政規律の議論がすっかり吹き飛ばされた感は否めず、将来に禍根を残すとの懸念は多い。

   国債問題と重なるが、対策策定が「規模ありき」で進んだのは否めない。自民党は11月30日に経済対策の提言をまとめ、下村博文政調会長が菅首相に申し入れた。いろいろと中身はあるが、最大のポイントが「需給ギャップ」。国内総生産(GDP)ベースで、7~9月期に年換算で需要が34兆円足りないという内閣府の統計を挙げ、「それを埋めるような近い額で大型補正を組んでほしい」と首相に求め、実際に予算計上30.6兆円、他を加えた財政規模40兆円と、まさに下村氏の主張に沿った仕上がりになった。

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