「生産者」にこだわる理由
ツマミクルの特徴の一つに「バイヤーが生産者を訪ね、生産者の思いを伝える」というものがある。ツマミクルに参加している生産者は、公式サイト内のブログやSNS、商品とともに送られる小冊子や生産者イベントで紹介する予定だ。
山崎さんは、なぜ生産者の思いを伝えることにこだわるのだろうか。
「私はこの仕事を始めるまでは飲食店に勤め、ほとんど地元から出たことがない生活でした。食材は身近でしたが、生産者さんのことを考えることもなく、お店で購入していました」(山崎さん)
飲食店に勤める前から、縁あって福島に畑を持っていたという山崎さん。地元の人と協力して畑作業をし、育てた野菜を自身が勤める飲食店で提供していた。
しかし11年3月に東日本大震災が発生。店のオーナーや利用客の意見を踏まえ、野菜の使用を中断、福島の畑も休園した。
「とても悲しかったです。もっと生産者さんと(食材を)使う人、消費者が近い関係性にあれば良いと思いました」(山崎さん)
生産者と消費者の距離をもっと近くしたい――そんな思いから、食のショールーム・パルズを立ち上げたという。
「全国を巡り、生産者さんに会うたびに『今、私が美味しく食べているものはこうやって人の手で作られているんだ!』といちいち感動しました。 何も考えずにお酒を飲んで美味しいおつまみを食べる、それで全くもって良いのですが、興味がある方に、生産者さんの努力や思いが伝わると良いなと思っています」(山崎さん)
山崎さんは今回の新サービスを通じて、「日本全国のご当地おつまみをどんどん紹介していきたい」と意気込んでいる。