終電繰り上げ、増資に運賃値上げ... コロナ禍直撃の鉄道各社、その対応策は

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

終電繰り上げに運賃値上げ...

   こうした空前の赤字決算に対し、各社は様々な対応策を打ち出している。

   JR東日本は賞与減額や修繕費の一部先送りなど、今期の固定費を1000億円近く圧縮、終電も繰り上げる。中期的には通勤時間帯の本数削減や運転・点検の自動化などで業務の効率化を図る。JR西日本を含め、赤字路線の減便や人員削減なども焦点になる見込みだ。

   民鉄では、東急が一般管理部門の経費を2割削減する目標を掲げた。西部HDは宿泊施設の再休業などで今期の固定費を620億円圧縮する。

   小田急電鉄、西武HD、東急などは、来春にも終電を最大30分程度繰り上げる方針で、他社も検討を始めており、JR線との接続もにらみ、全国的な動きになる可能性もある。

   値上げの動きも出てきた。近鉄GHDは傘下の近畿日本鉄道の運賃値上げの検討を表明した。もし値上げになれば、消費税引き上げの転嫁を除いて1995年以来ということになる。

   西武HDは中間決算に合わせて、子会社の西武鉄道とプリンスホテルが優先株を発行し、総額800億円を調達すると発表、みずほ銀行、日本政策投資銀行に割り当てる。京急、東武鉄道も、それぞれ300億円、200億円の普通社債の発行を発表した。各社、コロナの長期化に備え手元資金を確保するとともに、売り上げ減で膨らんだ短期借入金の返済などにも充てる。

   ただ、各社とも、感染拡大による緊急事態宣言の再発令など経済活動の回復にストップがかからないことを前提に計画を立てており、感染「第3波」の動向により、対応策の追加を迫られる可能性もある。

1 2 3
姉妹サイト