岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
ジョン・レノンが「分断の今」を生きていたら

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「ジョンはどちらの政党も支持しないのではないか」

   マイケルは、辺りを見渡し、続ける。

「コロナで『表現の自由』も奪われた。こうやって堂々と集まることもできなくなった。大したことじゃないという人もいるけれど、そうは思わない。今ここでこうして、僕たちが体験している以上の自由はないよ。ジョンなら、踊って歌って、自由に人生を楽しんで、と言ったはずだ。ロックンロールって、そういうことなんだよ」

   すると輪の中で男性が踊りながら、「ジョンはみんなに踊ってほしいんだ」と叫ぶ。

   マイケルは言う。

「今、オンラインでは検閲が行われている。コロナのことについても何でも、皆と同じように考えなければ、問題視されるような時代になってしまった。ジョンなら、『自由な思想を持て、疑問を口にしろ』と言ったはずだ。でも疑問を持てば、『陰謀論』だなんて言われてしまう。民主党にコントロールされたCNNなどのメインストリーム・メディアが、トランプ側の言い分を『陰謀論』とレッテルを貼っているように」

   ジョン・レノンの殺害にCIAが関与していたとの「陰謀説」にも、マイケルは触れ、「真相はわからないけれど、有り得ないことではない」と言った。

   ジョン・レノンが反戦運動などで、米国政府に目をつけられていたからだ。

   マイケルは、「心を自由にして真実を求め、僕たちやジョンのような多くの人のエネルギーと良心が集まれば、世の中は変わっていくよ」と言い切る。

   ニューヨークやワシントンDCなどのリベラルな街では、友人や職を失うことを恐れ、トランプ支持を表明できない人たちがいる現実について、私が話した。

「ジョンは、共和党、民主党、どちらの政党も支持しないのではないかと思う。どちらの政党も腐敗し、裕福な一部の人たちのことしか考えていない。お互いに相手を激しく非難し、叩いてばかりいるから、コロナ対応の追加経済対策も難航している。でも、ジョンはたぶん、どちらの声にも耳を傾けると思う。社会が分断されている今、そういう人間が必要なんだ」
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