増える「受け皿」、保育士不足の悪循環に
コロナ禍で実習生たちの実体験の場が失われる一方で、政府は24年度までに14万人分の保育の受け皿が必要になるとの見込みを示している。受け皿はすでに整備される方針が今秋固められている。
「政府は24年までに14万人分の受け皿を作ろうとしていますが、定員割れしている認可園も結構出てきています。
受け皿が増えていくと、その分だけ保育士を採用しなければならない。ある園で保育士不足になると、そこで働いている人たちの業務負担がどんどん増えていく、というのが数年前から業界の中に存在する問題です。今後はそれがよりいっそう強まっていく傾向にあると思います」
末廣さんは、今後は「保育業界の持続可能性」がより大切になってくると話している。
「保育園側も選ばれる保育園を形作っていかなければならない。差別化やカリキュラムの導入が具体的な方法かもしれませんが、まずは保護者と連携していかないと競争していけない。コミュニケーションをどういう風にとっていくかが保育園側に求められてくるところじゃないかなと思います」(末廣さん)
「保護者との連携」そして「オンラインとオフラインの両立」――この両者は「withコロナ」の時代、保育業界の持続可能性を考える上で一貫してカギとなってくるだろう。