高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
コロナ追加経済対策、批判的な報道は「まともだという証明」

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大量の国債発行をどう見るか

   また、朝日新聞の記事では、今回の経済対策によりと大量の国債発行となることについて、「新型コロナ前から先進国で最悪レベルだった財政状況は一層の悪化が避けられない」と書かれていた。

   これは間違いだ。これまでのコロナ対策では大量の国債発行がなされたが、ほとんど日銀が買い入れている。日銀買い入れ国債について利払いがされるが、それは日銀の収益になって日銀から政府への納付金になる。このため政府にとって財政負担はない。

   これはやり過ぎればインフレ率が高くなるが、今のところ、コロナのためにインフレ目標には程遠い。こうした政府と中央銀行とのコラボは、日本だけではなく欧州でも行われている。

   日経新聞や朝日新聞が批判的に取り上げたのは、今回の経済対策がまともだという証明だろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「FACTを基に日本を正しく読み解く方法」(扶桑社新書)、「国家の怠慢」(新潮新書、共著)など。


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