井上尚弥が狙う「WBC王座」混沌 ドネアがコロナで王座決定戦辞退、統一にはなお時間も

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   ボクシングの世界5階級制覇のノニト・ドネア(フィリピン)が新型コロナウイルスの陽性反応を示したと複数の専門メディアが報じた。「Boxing Scene」によると、ドネアは2020年12月19日(日本時間20日)に米コネチカット州でWBC世界バンタム級王座決定戦に出場する予定だったが、ウイルス感染によって辞退することになった。王座決定戦ではWBC同級4位エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と対戦する予定だった。

   WBCのバンタム級タイトル戦は当初、正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)がドネアを迎えて防衛戦を行う予定だった。ところがウバーリが新型コロナウイルスの陽性反応を示し試合に出場出来なくなったため、ウバーリが休養王者となり王座決定戦が設定された。このような経緯で急きょ王座決定戦が決まり、ドネアの対戦相手として同級4位のロドリゲスが抜擢された。

  • 井上尚弥
    井上尚弥
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ドネアの代替としてガバリョが浮上も...

   「Boxing Scene」によると、ロドリゲスは19日にリングに上がる可能性があり、対戦相手としてWBA世界バンタム級1位レイマート・ガバリョ(フィリピン)が浮上しているという。ただ、ロドリゲス対ガバリョ戦が実現しても、ガバリョがWBCのバンタム級ランキング26位のため、世界タイトル戦に出場する資格(15位以内)を有しておらず、王座決定戦となる見通しは立っていない。

   ドネアと対戦する予定だったロドリゲスはまたも不運に見舞われた。ロドリゲスは2019年11月にWBCバンタム級の挑戦者決定戦に出場する予定だったが、対戦相手のルイス・ネリ(メキシコ)が前日計量で体重超過の失態を犯し、試合が中止となった。その後、世界王座挑戦のチャンスに恵まれず待ちの状態が続き、ドネアとの王座決定戦はようやく巡ってきた世界戦だった。

   WBCバンタム級王座は、WBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)が狙っている王座で、ベルトの行方に注目が集まっていた。今後、仕切り直してドネアとロドリゲスで王座決定戦が行われる可能性を残しているものの、ロドリゲスが19日のリングに上がるのならば、対戦時期は大きくずれ込むことになる。その一方でウバーリという休養王者が存在しているため、WBCの王座が統一されるのは時間がかかりそうだ。

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