「フェアな形で共存共栄、切磋琢磨していきたい」
ステップの高瀬裕之広報担当取締役は8日、J-CASTニュースの取材に「私たちとしては、業界の自浄作用が促されるような方向にしていきたい」と申し入れの理由を話す。
ステップでは、今年7月ごろから「臨海セミナーから執拗(しつよう)に勧誘を受けている」との相談が塾生から多数寄せられ、メールマガジンなどで注意喚起していた。
「塾生から聞いた話では、同じ学校の部活の友達(臨海生)から『この模試を受けて欲しい。図書カードをもらえるから協力してくれないか』と言われ、その生徒も軽い気持ちで問題を解いて渡したところ、成績表と広告が送られてきたそうです。
その後も、『今度は学校対抗で点数を勝負をしていてあなたは成績優秀だからぜひ協力してくれないか』と言われ、同じように渡したところ、臨海さんから連絡がきて『成績表を渡したいからうちまできてくれ』と言われたそうです。弊社で注意喚起していたので本人も断ったのですが、郵送で成績表と特待生の認定書が送られてきたそうです」
「ほかにも、臨海さんから『問題を郵送します。オンライン上で解説が見られるのでお好きな時にどうぞ』という電話が来て了承すると、『形だけのものですので書類を書いて下さい』と書類が郵送されてきて、記入して返送したら臨海の内部生になっていたとの報告もありました」
申し入れの契機となったのは、臨海セミナーの現役講師が11月下旬、受験情報サイトで「当社が行っている強引な生徒勧誘や合格者作りの手法には社会的に容認できないものがある」などとして、内部の実態を告発したためだ(「神奈川大手塾勤務講師、強引な勧誘・合格実績水増しを告発」/カナガク)
ステップは内部告発を受け、塾生からの相談内容や臨海から転職してきた社員へのヒアリング結果も踏まえて抗議を決めた。他社にも呼びかけ、弁護士に相談の上で申入書を作成した。
「このようなやり方が当たり前だと思われるのは残念ですし許せないです。多くの塾は生徒と真摯に向かい合って、生徒の志望を実現できるように一生懸命教えているはずです。こういったことにエネルギーを注いで実績を上げようとするのはどうなのか。フェアな形で共存共栄、切磋琢磨していきたい。19の塾は同じ思いです」(高瀬氏)