ららぽーと甲子園でのノウハウ生かす?
では、どのように生まれ変わるのだろうか。新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってプロ野球の試合数と観客数は減り、東京ドームの2021年1月期連結決算の最終損益は180億円の赤字(前期は80億円の黒字)に転落する見通しだ。コロナワクチンが行き届いて感染を終息させるまでは、「3密」を避けるためにドームの観客数は絞らざるをえない。そうなると考えられるのはドームの周辺にある商業施設のテコ入れだ。
三井不動産は商業施設「ららぽーと」を全国で展開しており、中でも兵庫県西宮市にある「ららぽーと甲子園」は阪神甲子園球場のすぐ隣にある。ここで培った野球場の近くで大型商業施設を運営するノウハウを東京ドームシティでも実践すると見込まれる。また、ボウリング場やローラースケートアリーナ、卓球場といった既存のスポーツ施設についても、収益力を精査しながら見直しをどう進めるか注目される。
稼ぎ頭だったドームは当分振るわないものの、これまで十分に活用できていなかった立地の良さに三井不動産のノウハウを注入すれば、収益力を向上できる可能性は高い。将来の本格的な再開発も含めて、今後も注目を集めそうだ。