「星野源は普通の男性」論争 過去には、夏菜「ちょうどいいブス」事件も...

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   2020年12月9日に「グッとラック!」(TBS系)で放送された内容に、男性視聴者が悶絶している。

   この日、同番組では「婚活女性が定義する『普通の男性』に物議」とのタイトルの特集を放送。その中で、恋愛コンサルタントの男性にインタビューを行い、相談を受けるうちに固まったという「普通の男性像」なる定義がその男性の口から飛び出したのだが、その内容に男性視聴者が凍り付いたのだ。

  • その「普通」は高望み? それとも……(写真はイメージ)
    その「普通」は高望み? それとも……(写真はイメージ)
  • その「普通」は高望み? それとも……(写真はイメージ)

「星野源さんのような見た目で十分です」「星野源みたいな見た目でいいです」

   インタビューを受けたのは、恋愛コンサルタントの鈴木リュウさんという男性。鈴木さんは「普通の男性像」について、「見た目」「学歴」「清潔感」の3つの要素を挙げつつ解説していったのだが、この中で「見た目」について、

「婚活女性の相談を受けているとほとんどの方が『普通の人でいいんですけど』っていう風におっしゃいますね」

としつつ、相談に訪れた女性たちから上がった声を基に「普通の男性」を具体的に定義したと説明。6年にわたって収集したデータから導き出した結果として、

「星野源さんのような見た目で十分です」
「星野源みたいな見た目でいいです」

と語る女性がとても多いと、「普通の男性」の見た目の定義として歌手で俳優の星野源さん(39)が該当すると説明したのだった。

番組では一応フォローしたものの...

   特集VTRではこのほか、「学歴」と「清潔感」についても説明が行われたが、やはり、「見た目の普通が星野源」というキャッチーすぎる「定義」が目を引いたのか、特集VTRが終わって画面がスタジオに切り替わると、番組出演者たちはさっそく、この「普通の基準が星野源」という高すぎるハードルについて議論を開始。

   「普通」という言葉と「平均」という言葉が混同されているのではないかとの方向で議論が進み、最終的には、「星野源は普通」という発言は、「星野源は平均」と言っているように聞こえてしまうため、それによって、無駄な「キャッチーさ」を獲得してしまっているだけであり、決して、世の婚活女性の多くが高望みしているわけではないのではないかとの結論に達したのだった。

   ただ、この結論には、少々違和感もある。

「星野源みたいな見た目でいいです」と言われると、やはり、「で」が気になる

   前述の鈴木さんの説明を思い起こしてみると、鈴木さんの元を訪れる婚活女性の口からは、

「星野源さんのような見た目で十分です」
「星野源みたいな見た目でいいです」

との説明が飛び出していたのだ。しかし、仮に、「星野源は『普通』」であり、「ここでいう『普通』は平均より上」という意識で女性たちが話していたら、その表現は、

「星野源さんのような見た目『が』いいです」

といった、「で」を「が」に置き換えた表現になるのではないだろうか。それを意識してか、番組中、上記2つの表現は字幕でも表示されていたが、その際には「星野源さんのような見た目で『十分です』」「星野源みたいな見た目『で』いいです」と、『』内が赤字で表示されていたのだ(他の箇所は白字)。やはり制作者も、この辺は多少気にかかっていたのだろう。

   この「不審な点」に感づいたか、ツイッター上を見渡してみると、やはり、「普通の男性像」の「見た目」部門が「星野源」になっている点について打ちひしがれる男性視聴者が続出。あるツイッターアカウントは「星野源で『普通の男性』はヤバすぎだろ」と、そのハードルの高さを嘆いているほか、別のアカウントは「星野源が普通の男性なら俺は自害するしかない」と世をはかなむなど、まさに「荒れ模様」の状況だ。

「高すぎるハードルを課せられた」という勘違いは悲劇を生む

   このように、番組を見た男性視聴者は、「グッとラック!」の放送内容が「高すぎるハードル」を表わしていると受け止めてしまったわけだが、今回と似たような「高すぎるハードルを課せられていると視聴者が感じてしまう事件」が2年前に起きていたのだ。

   2018年12月、読売テレビは2019年1月期のドラマとして、女優の夏菜さんが主演するドラマを放送すると発表。これだけ見れば何のことはない発表だが、そのドラマのタイトルは何と「ちょうどいいブスのススメ」。

   ドラマのタイトルは原作となる山崎ケイさんの小説の名前をそのまま使用したものだったが、この発表を目にした視聴者からは、「夏菜がちょうどいいブスとか目が腐ってるんじゃないか?」「夏菜でブスなら私はどうなるの?」「全国のちょうどよくないブスに謝れ!」といった、やはり、「高すぎるハードルを課せられた」と勘違いした視聴者から怒りの声が噴出してしまったのだ。

   結果、ドラマは当初はサブタイトルだった「人生が楽しくなる幸せの法則」がメインタイトルとなってしまい、文字通り「改題」された上で放送を開始する羽目に。制作側としては決して世の中を挑発するつもりでつけたタイトルではないだろうが、やはり、その「誤解を受けかねないキャッチーさ」になってしまっていたタイトルが災いしてしまったようだ。

   「普通の男性」も「ちょうどいいブス」も、具体的なイメージを与えるのが難しい概念。名前を挙げられてしまった星野さん、夏菜さんは、そろって災難だったと言わざるを得ない。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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