世界ボクシング評議会(WBC)は2020年12月8日(日本時間9日)、新設階級ブリッジャー級(90.72キロ~101.6キロ)のランキングを発表した。ブリッジャー級は、最重量のヘビー級(90.72キロ以上)とクルーザー級(90.72キロ以下)の間に新設された階級で、今回は初のランキングとなり、ヘビー級やクルーザー級にランクされていた選手20人がランクインした。
最新のブリッジャー級世界ランキングで1位に入ったのはオスカル・リバス(コロンビア)で、リバスはヘビー級の世界ランキングに入っていた選手だ。2位にランクインしたのは、WBA世界クルーザー級暫定王者リヤド・メルウィー(ベルギー)。3位以下にもヘビー級、クルーザー級の実力者が名を連ね、現時点でランキングは20位まで作成されている。
階級名の由来は勇敢な少年の名前から
WBCは今年8月に行われたWBC総会で新設階級について話し合いを行い、WBCのマウリシオ・スライマン会長は、新たな階級を設けることに前向きな姿勢を見せていた。WBCは今年11月にブリッジャー級を新設することを発表し、世界主要4団体のなかで初めてヘビー級とクルーザー級の間の階級が誕生した。
WBCは公式サイト上で階級名の由来を明かしており、米国人のブリッジャー・ウォーカー君(6歳)の名に由来しているという。ブリッジャー君は今年7月にジャーマンシェパードに襲われそうになった4歳の妹を守ったことで注目を集めた。米メディアの報道によると、負傷したブリッジャー君は90針以上も縫ったという。
WBCが重量級に新たな階級を設けたのは、選手によりチャンスを与えるのが目的とみられる。その一方で伝統あるヘビー級の「崩壊」を危惧する声もあり、新設階級を巡っては様々な声が上がっている。今後、ブリッジャー級が世界のボクシング界に浸透していくか注目が集まる。