自動車船も5月ごろに底を打って徐々に回復
当初の予想より業績が改善することに貢献するのは、日本郵船、川崎汽船と共同出資するコンテナ船会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)だ。商船三井は31%を出資する。提携による効率化が功を奏したというわけだ。野村証券は9月上旬の時点で「コロナ感染拡大に伴う需要減に対する供給抑制がうまく進み、コンテナ船のスポット運賃が高水準を保っている」と指摘した。コンテナ船は今夏以降、北米向けの荷動きが回復していることもONEには良いニュースだ。
また、自動車船も5月ごろに底を打って徐々に回復している。鉄鉱石や穀物などさまざまな資源を輸送する「ばら積み船」にも、5月ごろから中国の需要増加という追い風が吹いている。
なお、商船三井が手配した貨物船が8月、インド洋のモーリシャス島沖で座礁し燃料油が流出した事故があったが、法的責任が問われる船主ではないため、業績に直接の影響はない。ただ、道義的責任を果たす狙いで商船三井は自然環境を回復するための基金を設立し、10億円程度を拠出するとしている。