時代設定は、確かに近似しており、主人公の属性も似ている
「わろてんか」のストーリーが始まるのは、明治時代の後半。京都の老舗薬問屋に生まれた藤岡てんは、生まれて初めて見た寄席に心を奪われ、それをきっかけとして物語が展開していった。一方の「おちょやん」は、それより少し時代は下るが、その時代は前述の通り大正時代の前半であり、確かに、時代設定は近似しており、また、女性の主人公の立身出世物語という点も共通している。
さらに言うならば、その主人公の「属性」が、両作が似ているとの思いを抱かせるのではないだろうか。「わろてんか」の主人公・藤岡てんは吉本興業の創業者をモデルとした役柄であることは前述したが、「おちょやん」で描かれる浪花千栄子は、さまざまなキャリアを経て松竹新喜劇に所属。松竹といえば古くから吉本興業と双璧をなす興行会社であり、その吉本興業と言えば「吉本新喜劇」の主催会社であるところからして、前述のような「わろてんかは吉本で、おちょやんは松竹新喜劇の話だなあ」といったツイートが出てくるのは実に自然なことだろう。