「草津温泉」町議リコールの影響は... 草津町観光課が明かした「現状」と「誤解」

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   町長(73)による性被害を主張した群馬県草津町の女性町議(51)がリコールによる住民投票で失職したことを巡り、ネット上で様々な意見が出ている。

   リコールに抗議する声も一部であるが、温泉地のイメージダウンなど観光への影響はあるのだろうか。

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「電話やメールなどはなく、宿泊キャンセルの報告もない」

   リコールの住民投票は、2020年12月6日に行われ、即日開票の結果、賛成が有効投票の過半数を超え、この町議は失職した。賛成が9割超と圧倒的な多さだった。

   各メディアの報道によると、事実無根を訴えていた町長は、「町民の意思がはっきりと示された」と結果を歓迎した。一方、町議は、「リコールは理念に反する理不尽なものだ」と不満を示した。

   被害を訴えた町議のリコール成立という異例の結果だけに、ネット上では、大きな話題になり、賛否様々な声が寄せられた。

   事実関係がはっきりしない中で、町民の判断を尊重しようという声が多かった一方、町議を排除するのが目的ではないかという疑念も一部で見られた。町議会議長が「解職を求める会」の代表を務め、町議のリコールを求めるポスターを駅や公民館など公共の場所でも貼っていた情報が出回ったからだ。

   ツイッターでは、「#草津温泉には行かない」とするハッシュタグも投稿され、これに対して賛否両論が書き込まれている。

   観光への影響が出ているかについて、草津町の観光課では7日昼過ぎ、J-CASTニュースの取材にこう話した。

「今のところ、電話やメールなどは1件も来ていません。宿泊のキャンセルなどリコールが影響したという報告もないですね。むしろ、権力側が都合の悪い女性議員を締め出したという間違った印象を与えるメディアの報道があるとの声を聞いており、そちらによるイメージダウンの方を危惧しています」

「排除目的というのは誤解で、虚言に説明がないためのリコール」

   町選管サイトで公開している「解職請求書」によると、女性町議は、2019年11月に発行された電子書籍で、町長と4年前に肉体関係を持ったと告白し、町では女性がモノ扱いされ、有力者の愛人になれば優遇されると町の女性を貶める発言をした。また、証拠隠滅のため町長室を模様替えしたと事実無根の発言を続け、客観的な証拠がなく議会で矛盾を指摘されても、裁判中を理由に説明しようとしないとした。さらに、議会の調査で、住居に賃貸契約がないことが分かり、議会でも答えずに逃げているとしている。

   これに対し、町議は「弁明書」で、町の女性を貶めているとの指摘には、女性など弱い立場の人を助ける活動の具体例をいくつか示して反論した。町長は、裁判を有利に進めたいから議会で騒いでいると主張し、住居については、現所有者の家族である前の所有者の同意を得ているとし、議会には体調不良の診断書を出すなど逃げていないと説明した。そのうえで、権力者主導ではリコールの理念から外れていると批判している。

   リコールについて、町の観光課では、「町議を排除する目的というのは誤解で、虚言だと指摘されていることについて、説明がないことが原因です」と取材に説明した。

   草津温泉観光協会でも12月7日昼過ぎ、草津には行きたくなくなったという女性からの電話が1本あっただけだとし、「騒いでいる人たちは、表面的なことしか知らないのだと思います。時が経てば、こうした声はなくなっていくでしょう」と取材に話した。

   リコール側のポスターばかりが公共の場所で目立つことについては、町の選管では、こう説明した。

「公選法上は制限されず、施設の管理者がそれぞれ判断することだと思います。しかし、選管からは、両論併記をお願いしており、ポスターを貼りたいと言えば両方とも貼れると思います」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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