過疎化の阿佐東線、「DMV」導入の勝算は 四国の三セクが挑む「世界初」の本格営業運行

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年に2万3000人乗客増え、1億4000万円の収支改善を見込む

   具体的には、DMV運行開始後5年の平均で、既存の利用者として1年あたり5万2000人を想定。これは「少子高齢化などの人口減少により、今後、利用者は減少と予想」するが、(1)「阿波海南-海部間」の編入による新規利用者の増加(2)バスモードの運行による集客(3)「DMVの観光(観光列車的要素)」や鉄道ファンなどの集客、で年に乗客は2万3000人が増えると見込む。収支も年に1億4000万円改善するとした。

   新規利用者のうち、DMV特有の効果といえるのは(2)(3)の1万4000人。この1万4000人が宿泊したり、お土産やグッズを購入したりすることで、1年に2億1400万円の経済効果を見込んでいる。

   運行形態を変更して乗客が増えた事例としては、JR西日本の富山港線を「富山ライトレール」として次世代型路面電車(LRT)に転換した例などが知られているが、これは本数が増えて地域住民にとっての利便性が向上したことによるところも大きい。「阿佐東線DMV導入協議会」で示されたダイヤ案では平日は10往復、土休祝日は13.5往復することになっているが、ディーゼル車時代よりも便数は減っている。これがどの程度影響するかは未知数だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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