カズに憧れた無名のサッカー選手が、37歳で海外7国目に渡るまでの波乱万丈

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新型コロナウイルスで予定が崩れ...

   1年の在籍を経て、次は同じ独立リーグのラスベガス・シティへ。ここでも衝撃のトラブルに見舞われる。

「ある日、入国時にビザで引っかかって、留置所に連れていかれたんですよね。結局問題なく解放されたんですけど、『なんだこの国は...』と思っちゃって、プレーできない時間ももったいなかったです。だから留置所の中で、次のクラブにコンタクトを取ったんですよ。携帯電話は使えました。日本からラスベガスに行く時は韓国経由だったので、韓国はどんなサッカーなんだろうと思うことは多かったです」

   結果、2018年に韓国Kリーグ3部のソウル・ユナイテッドに入団。だが、またも身の振り方を考える出来事が起こる。日韓関係の悪化だ。安全面を考慮してチーム関係者から「今日は外に出ないほうがいい」と言われ、プレーできない日も多くなった。田島は現地の日本人向けにサッカー教室を運営していたが、帰国する生徒も増えた。韓国でのプレーに見切りをつけ、「最後は地元に恩返しを」と、2019年末にFC函館ナチャーロ(函館1部)でプレーする決意をした。

「でも結局、ナチャーロで選手登録はしていないんですよ。もともとクラブから給料はもらっていなくて、今年1月に函館で立ち上げた『フットライズサッカーアカデミー』というサッカースクーで、月謝をいただいて生計を立てるつもりでした。ところが、2月ごろから新型コロナウイルスが蔓延し、北海道で外出自粛がはじまりました。予定していたリーグ開幕は延期になり、スクールも常時開催から不定期開催の教室に切り替えることになりました」

   不定期開催のため、スクールで月謝はもらえない。これまでも帰国時にサッカー教室を開いていた関係で、生徒は40人ほど集まっていた。今後も増える見込みだったが、想定していた収入は一気になくなる。これでは生活できない。リーグ開幕延期に伴い、選手登録の時期もずれ込んでいた。この際函館で選手登録することを諦め、もう一度プロサッカー選手として稼ぐ道を探すことにした。そして出会ったのが、冒頭のサンマリノ、ペンナロッサである。

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