大手家電量販店のサービスと比較すると...
このような声に対し、担当者はどう受け止めているのか。
「価格設定はトライアルの中で幅をもって実施したことが一番大きいです。このサービスは使うお客様が限定的なサービスだと認識しています。今の20代の子が使うかといったら使わないですし。家族とかにも(設定を)教えてもらえない方が、この値段で満足される方が多かったです。
担当者によれば、家電量販店で提供しているアプリ設定サービスの価格も見て決めており、「市場価格より低く設定してあると思います」とのこと。また、スタッフの人件費などのバランスもあるという。
「高いとか安いというのは、その人が設定かかる時間が基準になっていると思います。こういうサービスを求められる方は、人のサポートがある中でもそれなりに時間がかかるお客様かなと思っています」(広報担当者)
J-CASTニュースは KDDI、ソフトバンク の大手キャリア2社と、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダデンキ、上新電機、ケーズホールディングス、エディオン、ノジマの大手家電量販店7社を取材。「スマホアプリのインストール・設定」に近いサービスの有無と詳細を以下の図にまとめた。
KDDIはLINEの概要を店頭で配布し、公式サイト上にも「よくある質問」の一つとして使用法を掲載。また月額590円(税別)の「使い方サポート」では、電話やチャットで各種アプリの設定・使用法を説明するとしている。
一方、ソフトバンクは「有償でそのようなサービスは行っていない」と回答。大手キャリア3社の中で、対面でアプリ設定サービスを公的に行っているのはドコモだけといえる。
一方でビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダデンキのサービス価格はいずれも税込1650円(2020年12月現在)。値段だけでいえばドコモと同じだが、その内容は若干異なる。
ビックカメラのサービスはインストールのみだが、1650円で最大5アプリまで対応可能。LINE、Twitter、Facebook、Instagramであれば、それぞれ追加料金(1100円)で設定できる。
ヨドバシカメラは1アプリ1650円で、インストール、設定、アカウント引継ぎまで。対象はLINE、Twitter、Facebook、Instagramの4アプリとなっている。
ヤマダデンキは同じ値段・サービス内容(アカウント引継ぎは旧端末の情報が確認できれば)で最大3アプリまで対応。アプリに指定はない上、会員は少し安くなっている。
上新電機は店頭でのサービスは行っていないが、7980円/30分の訪問サービスの時間内でアプリ(LINEやTwitterを想定)のインストール、設定、アカウント引継ぎを行うことが可能。なお、アプリストアを利用するために必要なアカウント(AppleID、Googleアカウント等)を持っていない場合は別途料金がかかるという。
ケーズホールディングスとエディオンは同様のサービスがなく、ノジマは「類似のサービスはある」とのみ回答。
以上より、ドコモの価格設定は特段高いわけではないことがわかる。もしサービスを利用したい場合は、携帯キャリアやサービス内容・価格に応じて店を選ぶのがいいだろう。
なおNTTドコモは12月3日に若者(デジタルネイティブ世代)向けの新料金プラン「ahamo(アハモ)」を21年3月から提供すると発表。月額2980円(税抜)で月間データ容量20GBを利用することができる。発表資料によれば、受付は実店舗ではなくオンラインで、ある意味「アプリ設定サポート」とは対照的なサービスになっている。