岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
メディアが報じなかった大統領FB演説の中身

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「恥を知れ!」と非難したCNNアンカー

   最後に、トランプ氏を今も支持し続けている共和党議員たちを名指しし、「Shame on you! (恥を知れ!)」と非難して、こう主張した。

「今、必要なのはリーダーシップだ。議会はトランプのトラウマから自由にならなければ。なぜ議員になりたいと思ったのか、初心を思い出してくれ。そして今、それを実行してくれ。あなたがこの番組を見てくれているのはわかっている。感謝する。だから直接、訴えかけさせてくれ。今、何をしなければならないのか。わかっているはずだ。数週間後ではない。時は、今だ」

   これに対して視聴者からは、「クリス、よくぞ言ってくれた」との声もあれば、「不正の証拠は山ほどある。問題は(選挙結果に)影響を与えるほど重要かどうか、だ」という反論もある。

   報道姿勢についても、「クリスはすべて事実だけを伝えてくれればいい。それについてどう感じるかは、私たちに決めさせろ」、さらには「CNNは今頃、ビクビクしているはずだ。トランプが再選して、民主党議員の多くが刑務所行きだからな」との反応もある。

   11月24日公開のこの連載「政権移行動き始めたが...民主党支持者にも『選挙不正』論」で触れたように、11月の世論調査によると国民のほぼ3人に1人、トランプ支持者の4人に3人以上が、今回の大統領選で不正が行われたと考えている。

   しかし、民主党支持者を中心に「不正」は陰謀論だとまったく相手にしない人も多い。双方の情報をチェックしている人たちからは、「何が本当なのか、何を信じればいいのか、さっぱりわからない」という声が聞こえてくる。

   2021年1月20日の大統領就任式。笑顔でそこに立つのは、マスコミの報道どおり、バイデン氏なのか。トランプ氏の逆転もあり得るのか。今もトランプ氏を支援し続けている人たちは日々、祈る思いでいる。

(随時掲載)

++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計40万部。2019年5月9日刊行のシリーズ第9弾「ニューヨークの魔法は終わらない」で、シリーズが完結。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。

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