ホワイトハウスで報道陣呼ばずに収録
トランプ氏が報道陣を呼ばずに収録されたものを自身のFBに掲載し、国民に直接、訴えたのも、メディアが報道しないとわかっているからだろう。メディアの質問を避けたい、との思いもあったのかもしれない。
トランプ支持者の多くは、この演説を「熱意を感じる。これはトランプ大統領の心の叫びだ」と高く評価している。
ニュース専門放送局の「MSNBC」は、演説のごく一部を紹介したものの、報じる際にこう前置きしている。
「トランプ大統領はこれまでもそうでしたが、コロナについてのコメントはなし。でも、これを収録する時間はあったわけです。言っていることはこれまでと何ら変わりなく、『自分は選挙に勝った。選挙は仕組まれた。不正だった』と訴えています。報道陣不在で演説していますが、どうせネットワークが放映しないことを、ホワイトハウスもわかっているからでしょう」
そして、演説のあとで、「まあこんな感じで、すべて陰謀説、すべて自分を被害者に仕立て上げています」と締めくくっている。
ケーブルテレビのニュースチャンネル「CNN」では、アンカーのクリス・クオモ氏(兄がニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事)が、「CNNがトランプの46分間の演説を放映しない理由」について終始、強い口調で訴え続けた。
「トランプは有害だ。コロナの危機、最悪の状態に今、アメリカは直面している。トランプはそれをわかっている。でも、あいつはどうでもいいんだ。何もしようとしない。食卓にのせる食べ物がなくて苦しんでいる人たちが、これまでにないほどいるというのに」
「トランプはもうすっかりイカれているので、今夜、吐いたあの大袈裟な演説を放映するのは、私の良心に恥じること。とてもできない。あれは、偽りで醜く、分断と悪意以外の何物でもない」
「今日、私が訴えたいのは、トランプのごまかしに力を貸している人たちのことだ。それはもはや、共和党ではない。トランプ党だ。私が間違っているというなら、あなたはこの1か月間、一体どこにいたんですか。トランプには何の証拠もない。あなたにはわかっているはずだ。ルーディ(トランプ弁護団のジュリアーニ氏)だって、何の証拠も見つけていやしない。あなたはわかっているはずだ。大した不正はなかった。機嫌を取って大統領を守ろうとしてきたあのビル・バー司法長官でさえ、選挙は公正だと言っている。それなのに、あなたは何をしているのか。問題なのは、男女を問わず、あなたたちだ」