「本人の名前で受賞」という、フワちゃんの「特異性」
だが、ことフワちゃんに関しては、その例外になる可能性もある。
というのも、他のお笑い芸人は「ギャグ」「決め台詞」という「一発芸」的な要素で受賞している。こうしたタイプの芸人は、受けると一気に人気者になるものの、飽きられるのも早いのはご存じのとおり。
しかし前述したとおり、フワちゃんは自身が放った決め台詞ではなく、本人の名前で受賞しており、これまでのジンクスの対象者とは違う要素を持ったお笑い芸人と言える。そもそも芸名とはいえ、あだ名や名前の一部分ではなく、人名やグループ名それ自体がトップテン入りしたのは、芸能人では実はAKB48(2010年)以来だ。
加え、フワちゃんに関しては、授賞式での力量も光っていた。というのも、2020年の授賞式は例年と異なり、新型コロナウイルスの流行の影響で招待客が少なく、会場にいたのはマスコミ関係者がほとんどだったのだが、この「アウェイ」な状況でも、フワちゃんは笑いを取っていたからだ。