アツギのタイツ広告炎上、識者に聞く 発信側に求められる「覚悟」と問うべき「本質」【後編】

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「しっかりした想い、根拠があれば...」

   それでは今後、広告はどうあるべきなのだろうか。藤島さんは「本質をつきながら、意表をつく」ことが基本だと話す。

「配慮は、広告作成上、どうしても必要です。先に述べてきたように、企業は社会の中に存在するものであり、広告はそのオフィシャルな発言であるからです。
ただし、当たり前の発言では誰も気にしてくれません。『本質をつきながら、意表をつく』これは広告表現の基本だと言い続けています。商品の本質的な価値に迫りながら、意表をついた表現で世間の注目を集める。『意表をついた表現=セクシー、ジェンダー無視』ではありません。無限にあります。
苦労は多々となりますが、この基本に立って素敵なプロモーションを送り出して欲しいと切に願っています」

   さらに藤島さんは「広告は弱い」とし、「不買運動を起こされたら」と委縮せず、きちんと根拠を持った主張を行わなければならない時代でもあるという。例えばラブタイツにおいては、

「タイツの魅力を伝えようとすれば、どうしたって足周りの誇張の表現になります。そこには過度に性的な匂いを嗅ぐ人も出てくることでしょう。しかし、セクシーも世の中を彩る魅力の一つ。どこで線を引くかは個人差の世界であり、『アツギは人の魅力を引き立たせることもタイツの商品特徴だと考えています。魅力の一つはセクシーです』と堂々と主張すれば良いのです」

と提案する。

   そして藤島さんは多様な意見、表現があってこそ楽しい時代になるとして、発信側にきちんとした想いや根拠があることを望んだ。

「『いかがなものか』とのクレームをつけ、訴えられた側は『削除と謝罪』で対応する。
それは不毛です。不毛な循環を生むだけです。 どんな表現、プロモーションにも否定的な意見は寄せられる時代。発信側にも、きちんとした『覚悟』が求められます。しっかりした想い、根拠があれば良いではないですか?」
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