乃木坂46は、どこへ行くのか? 原点回帰と方向転換...対照的な「僕は僕を好きになる」「Route246」が示す未来

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   「ベストアーティスト2020」(11月25日放送、日本テレビ系)で乃木坂46の26thシングル「僕は僕を好きになる」のパフォーマンスが初披露された。

   2020年は乃木坂46にとって転換点になりうる1年だった。これからグループがどんな面をファンに見せていこうとするのか、最新シングル表題曲のこの曲と、その前に配信でリリースされていた「Route246」からひも解いてみたい。

  • 「Route246」のテイザー映像よりセンターの齋藤飛鳥さん(乃木坂46YouTube公式チャンネルより引用)
    「Route246」のテイザー映像よりセンターの齋藤飛鳥さん(乃木坂46YouTube公式チャンネルより引用)
  • 「Route246」のテイザー映像よりセンターの齋藤飛鳥さん(乃木坂46YouTube公式チャンネルより引用)

「乃木坂の原点」とTKサウンド

   「僕は僕を好きになる」(2021年1月27日発売予定)は作詞が恒例の秋元康さん、作曲は杉山勝彦さんである。杉山さんは「制服のマネキン」(2012年)「君の名は希望」(2015年)「サヨナラの意味」(2016年)「4番目の光」(2018年)などを作曲してきており、グループにとって印象深い曲の作り手だ。

   「僕」を多用した歌詞と、柔らかでエモーショナルなメロディーラインから多くのファンは乃木坂の「原点」を感じるという感想を持った。結成以来グループの顔だった白石麻衣さんの卒業後初のシングルだが、3期生の山下美月さんを初の単独センターに起用、センター以外の1列目・2列目にも3・4期生メンバーが多く抜擢され、世代交代と原点回帰の意図がうかがえる。山下さん本人もセンター起用発表後のブログで

「私は乃木坂がずっと変わらずに
皆が笑顔になれる場所であってほしいと思うけれど
現状維持ということがこの世界ではそう簡単に上手くはいかない事も理解しています
(中略)
どうか温かい気持ちで
私たちと一緒に
これからの乃木坂を創ってくれませんでしょうか?
今の私たちには
皆様のお力添えが本当に必要です」(11月16日の記事より)

と語っていて、グループの変革期にいることを実感している様子だ。衣装も見てみると、膝上丈のスカートが目立つ。「シンクロニシティ」「Sing Out!」などで定着していた丈から短くなり、エレガントというよりフレッシュな印象を与える。

   一方「僕は僕を好きになる」より前に、配信曲として「Route246」が7月24日にリリースされている。こちらは1期生の齋藤飛鳥さんがセンターで、引退していた小室哲哉さんが約2年3カ月ぶりに作曲活動に復帰して提供した曲だ。

   小室さん作曲という話題性が先行した「Route246」だが、乃木坂のカラーに比較するとエッジの効いた先鋭的なナンバーである。打ち込みを多用した小室サウンドはミディアムな曲が多かった乃木坂の王道からは外れるし、楽曲以上に大胆な転換を図ったのは衣装だ。グループカラーの紫を基調としながらも、ショートパンツにシューズはスニーカーとラフな装い。上下セパレートで「へソ出し」の要素もあって、「清楚」「文化系」といったこれまでのグループイメージに楔を打ち込んだ。サウンドとビジュアルイメージは対照的な2曲である。

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