HKT48、コロナ禍と向き合った9周年 地元の後押し受けて...「たくさんいい報告をできる1年にする」

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   福岡市を拠点にするアイドルグループ、HKT48は2020年11月26日に同市中央区の西日本シティ銀行HKT48劇場で9周年記念特別公演を開いた。アンコールを含めると、HKT48が行う劇場公演としては最も多い45曲を2時間50分ほどかけて披露した。

   新型コロナウイルスの感染拡大で活動が大幅に制約され、HKT48のメンバーにとっては「戸惑うこと」があり「実力不足」も痛感させられる1年だった。ただ、3週間ほど前には4年半ぶりに専用劇場が復活して活動の拠点が充実するなど、前向きな取り組みも進む。「10周年を迎える頃までに、みんなにいろんないい報告ができていたら」と意気込んだ。

  • 9周年特別記念公演にはメンバー49人が参加。「チームH」キャプテンの松岡菜摘さんは「10周年を迎える頃までに、みんなにいろんないい報告ができていたら」と意気込んだ。
    9周年特別記念公演にはメンバー49人が参加。「チームH」キャプテンの松岡菜摘さんは「10周年を迎える頃までに、みんなにいろんないい報告ができていたら」と意気込んだ。
  • ステージで突然大粒の涙を流した村重杏奈さん。「人数は減っちゃったけど、みんなのこと、ずっとずっと大好き!」と声を絞り出した
    ステージで突然大粒の涙を流した村重杏奈さん。「人数は減っちゃったけど、みんなのこと、ずっとずっと大好き!」と声を絞り出した
  • 9周年特別記念公演にはメンバー49人が参加。「チームH」キャプテンの松岡菜摘さんは「10周年を迎える頃までに、みんなにいろんないい報告ができていたら」と意気込んだ。
  • ステージで突然大粒の涙を流した村重杏奈さん。「人数は減っちゃったけど、みんなのこと、ずっとずっと大好き!」と声を絞り出した

「さっしーが卒業して『みんなで頑張っていこう』って言っていた矢先」のコロナ禍

   公演では、ユニット曲や、シングル曲などを次々に披露。20年4月から体調不良による療養のため活動休止していた長野雅(ながの・みやび)さん(21)がサプライズで一部出演したほか、4月22日発売の新曲「3−2」(さんひくに)のカップリング曲2曲が観客の前で初披露された。

   公演は盛り上がりを見せたものの、ここに至るまでの活動は大きな制約を受けた1年だった。「チームH」キャプテンの松岡菜摘さん(24)は公演最後のあいさつで、この1年は「戸惑うこと」があったと述懐。新曲の発売が1曲にとどまり、歌番組にも出演できなかったことを挙げた。新曲のプロモーション期間と、外出の自粛を求められた期間が重なったことが一因だとみられるが、松岡さんによると、これは「さっしー(指原莉乃さん=19年卒業)が卒業して『みんなで頑張っていこう』って言っていた矢先」の出来事で、

「自分たちの実力不足」
「何かもっともっとできることがあったんじゃないか」

と悔やんだ。9月には、1期生の村重杏奈さん(22)が新型コロナに感染。約3週間にわたって活動を休み、他のメンバーはテレビ番組やイベントの出演辞退を余儀なくされるなど、グループの活動にも影響が出た。

村重杏奈は大粒の涙で「みんなのこと、ずっとずっと大好き!」

   ただ、ファンからの強い支持や、メンバーや関係者の団結を確認した1年でもあった。村重さんの感染が発表された直後には、ファンが続々と「#村重杏奈のメンタルはみんなで守る」のハッシュタグをつけてツイート。「3−2」のセンターに「なっぴ」こと運上弘菜さん(22)が決まったことを受けて村重さんが「なっぴのメンタルは、おれたちが守ろうな!」と呼びかけたことにちなむタグだ。指原さんらもツイートし、ほどなくして「トレンド」入りした。その村重さんは、終盤に1期生で披露した「少女たちよ」の間奏で突然大粒の涙を流し、声を絞り出しながら「人数は減っちゃったけど、みんなのこと、ずっとずっと大好き!」。次々に他の1期生も「もらい泣き」した。

   地元企業からの支援を強まった。8月には、JR九州が新型コロナや豪雨被害で苦境に立つ観光地を盛り上げるようと立ち上げたキャンペーン「みんなの九州プロジェクト」にHKT48を起用。メンバーが出身県の駅で「1日駅長」を務めたり、駅や車内の広告に登場したりして、ファン以外の目に触れることも増えた。

   新劇場の名称「西日本シティ銀行HKT48」劇場は、西日本シティ銀行が命名権(ネーミングライツ)契約を結んだことによるものだ。谷川浩道頭取が11月2日の劇場オープン式典に寄せたメッセージでは、HKT48の楽曲「バグっていいじゃん」(17年発売)の歌詞の一節

「谷底OK 今日のマイナス チャンスにしよう」

を引用しながら、グループを激励した。

「今が谷底でもマイナスでも、はい上がるチャンスは必ずやってくる。古くからある言葉で言えば『一陽来復』ということでしょう。寒く暗い冬の後には、必ず春が来る。悪いことの後には、必ず良いことがやってくる。私たちは、その希望を胸に歩んでいくのです」

   松岡さんは、公演のあいさつの中で、

「10周年を迎える頃までに、みんなにいろんないい報告ができていたらいいなと思います。今年、10周年(まで)の1年は『たくさんいい報告をできる1年にする』という目標を、今ここで勝手に決めさせていただきました!」

と宣言。田島芽瑠さん(20)が「みんなでガンバロー!」と声をあげると、会場からは拍手が起こった。

IZ*ONE矢吹奈子に「みんなで待っとーよー!」

   松岡さんの決意表明のとおり、この1年で様々な変化がありそうだ。ひとつが、リモート劇への取り組みだ。フルリモート劇団「劇団ノーミーツ」の劇団員のサポートを受けながら、HKT48のメンバーが企画・脚本・演出・宣伝・上演などを全て担当する「HKT48、劇団はじめます。#劇はじ」が進行中。21年2月末の上演予定だ。

   新公演も控える。指原さんが19年4月に開いた自らの卒業コンサートで、新公演「いま、月は満ちる」を書き下ろすことを発表し、同5月の「感謝祭」コンサートではそのうちの1曲が披露された。それから1年半が経過しており、お披露目の時期も注目される。

   もうひとつが、HKT48の主力メンバーで、今は日韓合同ユニットのIZ*ONE(アイズワン)の活動に専念している宮脇咲良さん(22)と矢吹奈子さん(19)の動向だ。発足当初の発表どおりであれば、IZ*ONEは21年4月に活動を終了する。(1)予定通りに活動を終了するか(2)活動終了後、2人はHKT48に復帰するか、が焦点だ。

   公演では、矢吹さんのソロ曲「いじわるチュー」を田中美久さん(19)が披露。矢吹さんと田中さんは「なこみく」コンビとして知られ、田中さんは間奏で博多弁混じりに矢吹さんの復帰を待ち望んでいた。

「あー、奈子ちゃんに会いたいなー。奈子、元気にしてるかなー。皆さん、ずっとずーっと『なこみく』のこと、好きでいてくださいね!奈子、みんなで待っとーよー!」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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