高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
「コロナ第3波」なぜ準備しなかったのか 残る予備費、埋まらぬGDPギャップ

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このまま放置すれば、失業者も自殺者も増加する

   予測という観点から言えば、さらに気になることもある。7-9月期のGDP速報が11月16日にでたが、1年前と比べて30兆円も低く、筆者の試算した潜在GDPから見て40兆円も低い状態だ。この程度のGDPギャップを放置しておくと、半年後に、失業者は120万人程度、それに伴う自殺者は6000人程度増加する。これまでのコロナによる死者の3倍程度だ。

   それでも、3次補正では10兆円程度の「真水」しかないといわれる。後は民間経済で埋めるという。しかし、内閣府によれば、政府支出乗数は1.1にも満たないので、民間が誘発されず民間経済が出るということはない。つまり、その程度の真水では失業者80万人、自殺者4000人程度増加という悲惨な結果がまっている。人命がかかってるのだから、3次補正をケチってはいけない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「FACTを基に日本を正しく読み解く方法」(扶桑社新書)、「国家の怠慢」(新潮新書、共著)など。


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