2020年11月23日に放送された「しゃべくり007」(日本テレビ系)では果敢にお笑いに挑むなど、今、飛ぶ鳥を落とす勢いのガールズグループ「NiziU」。そのNiziUについてネット上で今、忘年会の有無と絡めつつ胸をなで下ろす声が上がっているのだ。
あるツイッターアカウントは「今年、こんなんじゃなかったら忘年会でNiziUだっただろう」と、「悲劇」が未然に防がれたとの思いをツイート。また、別のアカウントも、
「何でもかんでも自粛って面倒くさいなって思うけど、忘年会とかで知らんおっさんが出し物でNiziuの縄跳びダンスやってるのとか見せられるの回避できたって思うと自粛も悪くねぇなって」
と、やはり、胸をなで下ろしているのだ。
その年の「流行りもの」を取り入れた余興を強制されずに済む
これら、安堵する思いをつづったツイートだが、その真意はいずれも、「新型コロナウイルスの流行により、今年の忘年会が中止」になり、それによって、「余興を披露しなくて良くなった」とする思いだ。2020年はコロナによって異例の事態の連続であり、19年までは当たり前だった事象が次々と変化していった1年であり、それはまた、「忘年会なき年末」というこれまた異例な事象を巻き起こしているわけだ。ただ、それによって、忘年会の余興を行う際に毎年発生している、その年の「流行りもの」を取り入れた余興を強制されずに済むと安堵する声が上がっているのだ。
NiziUの「縄跳びダンス」とは、6月30日に公開されたミュージックビデオである「Make you happy」の中でメンバーが披露するダンスのこと。実際に縄跳びの縄は持っていないものの、あたかも縄を持っているかのような素振りを見せつつ、軽快なステップを踏むメンバーの姿が大きな話題を呼んだことは記憶に新しい。
で、確かに、このダンス、忘年会の余興に打って付けという「世間の人が知っている」「誰でもできる(ように見える。実際には芸能人ではない一般人には再現不能であっても)」という、「宴会芸」の要素を満たしているように思えるからだ。このため、前述のような「NiziUの縄跳びダンスを強制されなくて良かった」とする声が上がっているのだ。
「U.S.A.」や「PPAP」...
ちなみに、忘年会が無事開かれていた2019年までは、毎年のように、その年の「流行りもの」を余興として強制されることを良しとしない声がネット上に充満していたのだ。20年の2年前となる18年にはDA PUMPの楽曲である「U.S.A.」が大流行したため、ネット上には「入社1年目は出し物やらなきゃいけないらしいんだけどU.S.Aかよ...」といった怨嗟の声が続出。また、それよりさらに2年前となる16年にはピコ太郎さんの「PPAP」が空前の大ブームとなったため、「先輩に忘年会でピコ太郎の真似してよって言われて目が死んでる」と、やはり、流行りものの余興を強制されると嘆く声が相次いだのだ。
翻って、コロナの流行によって忘年会が軒並み中止となった2020年は、「U.S.A.ハラスメント」や「ピコ太郎ハラスメント」といった「忘年会ハラスメント」は、ネット上の反応を見る限りではあるが、19年までに比べると大幅に抑制されているように思われる。この状況は果たして、前述のツイートの「自粛も悪くねぇな」の一言に象徴されるような「不幸中の幸い」なのか、はたまた、「忘年会ハラスメントの駆逐はコロナの流行によってしか為しえなかった」という、日本の職場の病理を表わしているのか、非常に気になるところではある。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)