医師「リスクの1つではあるが、主原因ではないと思う」
ただ、影響が出るのは2週間後ともされていることから、入国緩和とは別の要因が大きいのではないかとの指摘も出ている。
緩和の影響について、厚労省の検疫所業務管理室では11月25日、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「入国を完全に緩めたわけではなく、11月からの緩和も、時期との関係から第3波とは関係ないと言われています。段階的な緩和による影響は、遺伝子解析などを通じてこれから評価されると思いますが、現時点では、影響は確認できていません。状況が変わりますので、緩和を今後どう進めるかについては分からないです」
コロナなどの感染症に詳しいグローバルヘルスケアクリニックの水野泰孝院長は25日、取材にこんな見方を示した。
「インフルエンザもそうですが、輸入感染症として、海外からの持ち込みが多いのが特徴です。入国緩和は、リスクの1つではあり、無視できないでしょう。監視しないといけませんが、主原因ではないと思います。空港検疫で毎日10人ぐらいの陽性者が出ていますが、水際で食い止められています。多くの人たちが、健康監視で2週間の待機に従っています」
水野院長は、急な感染拡大は、別の要因が大きいのではないかと見る。
「GO TOの影響が言われていますが、私は、大阪では、10月末のハロウィンのイベントがアクセルになったのではないかと考えています。東京はそうでもなかったですが、大阪では、人がいっぱい集まる映像がテレビで流れていました。とはいえ、感染拡大は、1つだけではなく、複合的な要因があります。11月に入って、保健所から濃厚接触者のPCR検査依頼が増えており、それもあると思います。寒くなったことも関係しているでしょう」
そのうえで、感染が広がる場としては、水野院長は次のことを指摘した。
「公共交通機関などで移動するときには、感染は広がらないと思います。長時間、大人数でマスクせずに会食しているときが、一番危ないです。感染拡大の95%は会食だと考えており、改善が必要です。それは、入国する外国人の方も同じで、大勢で会食したりすれば感染の恐れがあり、留学生など同じ国籍のコミュニティもリスクに気をつけなければいけませんね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)