トランプ氏の「ゴルフ」メディアは繰り返し報じるが...
このところ、テレビの主要ネットワーク各社の報道は、新型コロナウイルスが米国で猛威を振るっており、その対応が何より急を要することがトップニュースだ。
ワクチンがまもなく出回るのは朗報だが、トランプ氏が選挙での敗北を認めないため、政権移行に支障をきたしており、バイデン陣営は国内外の政策を進められずにいる。その間にもコロナによる死者が増えるだけでなく、国家安全保障が懸念される、と繰り返し、伝えてきた。
このような緊急事態のなか、「トランプ大統領はゴルフにいそしんでいる」とゴルフ場での彼の様子ばかりが何度も流れた。
民主党支持者の友人ジェネフェー(50代、ニューヨーク市)は、「トランプ陣営と弁護団のたわごと、右傾ネットニュースのデマにいつまでも振り回されているトランプ支持者たちは、頭の弱い愚か者よ」と揶揄する。
その一方で、トランプ支持の私の友人知人たちのなかで、「トランプ勝利」を信じる人たちは、トランプ氏の弁護団の記者会見などのネットのリンクを、今もひたすら送り続けてくる。
「Stop the Steal」(盗みをやめろ)――。今回の米大統領戦の不正を訴え、首都ワシントンに全米からトランプ支持者たちの集会が開かれた(2020年11月14日)。
この集会に参加していたハーマン(40代、ノース・カロライナ州)は、「フェイク・ニュースを流し続けるマスメディアを今も信じ切っているのは、「自分の頭で考え、自分で調べることのできない人たちだ」と言う。
「コロナ蔓延を煽り立て、トランプはゴルフしかしていないと報道をするのも、意図的だ。コロナ自体、トランプを引きずり落とすために、仕組まれたものだ。今回の民主党による不正は、組織的に前代未聞の規模で行われているのに、トランプの弁護団の記者会見すら、メディアは報道しない。トランプが再選すれば、暴動どころでは済まないかもしれない。先々のことを考え、彼はいろいろ手を打っているよ。国内での暴動への連邦軍派遣に反対するエスパー国防長官をトランプが辞めさせたのも、その1つだと思うよ」
ワシントンでの集会の後、米大統領選で激戦州となったジョージア州で再集計の結果、バイデン氏の勝利を認定したことを受け、同州アトランタの庁舎前や「CNN」ビルの前にトランプ支持者たちが集まり、抗議デモを展開した(11月21、22日)。
ワシントンで出会ったリッチ(30代、アトランタ)は、「個々の州レベルでの敗訴を、トランプの弁護団は見越していた。勝負の場は最高裁になるだろう。今回の大統領選そのものが、憲法違反だと主張するはずだ。すべて覆されると思う」と自信たっぷりだ。