新型コロナウイルスの感染拡大を受けて注目を浴びた「オンライン飲み会」が、曲がり角を迎えている。
国土交通省が2020年8月に約1万3000人を対象に行った意識調査では「オンライン飲み会」を続けたい意向を持つ人は全体の2割以下にとどまった。オンライン飲み会ツールを運営する企業の代表は「GWが利用者のピーク」だったとし、感染の「第3波」を迎えたとされる現在も、需要の拡大は見込めないと語る。
忘年会は7割が「対面希望」
「オンライン飲み会」は「Zoom」などのビデオ通話ツールを通じて、オンライン上で「飲み会」を開くというもの。新型コロナウイルスの感染拡大や、4~5月にかけての緊急事態宣言によって、対面での「飲み会」実施が難しくなった中で、その代替手段として注目を集めた。
企業も「オンライン飲み」市場を盛り上げようと反応した。アサヒビールは4月~5月にかけて、芸能人と消費者がZoomで「オンライン飲み会」をするという「いいかも!オンライン飲み ASAHI SUPER DRY VIRTUAL BAR」を4回開催。6月11日には日清食品が、今田耕司さんらお笑い芸人が出演する「オンライン飲み会」をテーマにしたウェブ動画を公開し、話題を呼んだ。
井藤漢方が8月27日~31日にかけて、20~60代の「週に1回以上飲酒をする男女」1000人を対象におこなった調査では、「オンライン飲み会」の経験率は全体の26.4%だった。一方で、消極的なデータも出ている。国交省・日立東大ラボが8月3日~25日にかけて約1万3000人の男女を対象に行った調査では、「オンライン飲み会」を続けたいという意向の人は全体の2割以下にとどまった。
また、レンタルスペースのプラットフォーム運営をする「スペースマーケット」が20代~50代までの会社員501人を対象に行った調査(10月20日〜23日)では、今年の忘年会は7割がオンラインではなく「対面開催」を希望していると回答した。