リベラル系のメディアが「極右でネオファシストの自警団」と呼ぶ「Proud Boys(プラウド・ボーイズ)」。白人至上主義、人種差別主義、過激派組織――。さまざまなレッテルを貼られる彼らの素顔はどうなのか。
今回の米大統領選は不正だと固く信じ、全米から首都ワシントンにトランプ支持者が集結した日(2020年11月14日)の夜、私は彼らと行動を共にすることにした。
メディアは「極右でネオファシストの自警団」とも
いつか、プラウド・ボーイズに直接、話を聞いてみたいと思っていた。正午に始まったトランプ支持者の大規模な集会で、私は彼らと遭遇できなかった。
夜、彼らを探し求めてトランプ支持者の溜まり場のバーに行ってみると、「さっきまでここにいたのに」と支持者の1人が答えた。別の支持者に、その角のホテルの前にいるかも、と言われて行ってみると、10人ほどの男性グループが普通のジャケットやジーンズ姿でビール片手に立ち話していた。
「プラウド・ボーイズを見かけた?」と声をかけると、「僕たち全員、そうだよ」と1人が答える。彼はテネシー州から一晩かけてやってきた。全米の支部から、メンバーたちが集結している。
「あなたたちに直接、会いたくて、探していたの」と私が言った。
私は10月にニューヨークの五番街で行われたトランプ支持者の大集会で、プラウド・ボーイズのメンバーを見かけている。が、集会そのものの取材に忙しく、言葉を交わさなかった。集会は平和的に行われ、皆、陽気に楽しそうに歌い踊っていた。
しかし、途中から反トランプ派が罵声を浴びせ、液体入りのベットボトルや石を投げつけるなどしたことから、デモ行進の終着地タイムズスクエアでは激しい衝突が起こり、多くの逮捕者が出た。少なくとも私が見た限りでは、トランプ支持者側から暴力を仕掛けてはいないようだった。