ツイッターの「嫌いボタン」導入で、なにが起きる? 心理学的に分析する「炎上のリスク」

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炎上の可能性は、やはり高まる

   まず、鈴木氏は「嫌いボタン」が導入された場合、「直感的に行動する人」と「理論立てて行動する人」で、その使用率に差が出るのではないかとの考えを示しつつ、炎上の可能性は高まるのではないかと予想した。

「『直感的に行動する人』は、『嫌いボタン』が導入された場合、ツイートを見て不快感を感じた時は、進んでそれを使うようになると考えられます。一方、『理論立てて行動する人』はツイートを見て不快感を感じた場合、リプライで反論を送り付けるということをすると予想されます。ですので、『嫌いボタン』を導入した場合、直感的な人にはツイッター上での行動に大きな変化が出るでしょうが、理論的な人には、これといった変化をもたらすことはないと考えられます」
「これらのうち、理論的な人による『リプライで反論を送り付ける』ということは現在でもすでに行われていますから、ここに関する変化はないでしょう。しかし、ここに、直感的な人が『嫌いボタンを押す』という行為が加わるわけですから、『嫌いボタン』を実装した場合、現在よりもツイッター上で炎上が起こる可能性は高まるでしょう」

   その一方で、「嫌いボタン」が実装された場合、それが原因で人間の憎悪の感情が増幅される可能性については否定的な見方を示した。

「『嫌いボタン』が出来たことが原因で、憎悪の感情が増幅されることはないと思います。やはり、順番として『気に入らないツイートを目にして、そのユーザーが憎悪の感情を抱く』ということが先にあり、その発露として『反論リプライ』が発生しているわけです。そこに、直感的な人が文章を作らずして『嫌い』の感情を表現できる『嫌いボタン』を使うようになるという展開になると考えられます」

   確かに、これまでツイッター上での炎上の際には、「このひどい発言に関心を持った」という意思を表明すべく、失言や暴言のツイートにも、賛成の意を表さない「いいね!」が付いてきたのは事実だ。ゆえに、「嫌いボタン」が実装された際には、そのように押されていた「いいね!」ボタンの押下回数が「嫌いボタン」の押下回数に反映されるということになりそうだ。

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