米インターネットメディアの「バズフィード」は、米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ(以下、ベライゾン)傘下のネットメディア「ハフポスト」を買収すると、現地時間2020年11月19日に発表した。
経営的な苦境も報じられる中、両メディアは合併による新たな収益機会の確保に期待を寄せている。
コロナ禍での「レイオフ」も
ハフポストは05年にアリアナ・ハフィントン氏らが「ハフィントン・ポスト」として設立。ユーザーが意見交換できるリベラルメディアとして発展を遂げた。11年には米ネット大手のAOLが買収し、15年にはそのAOLをベライゾンが買収したため、現在はベライゾン傘下となっている。
一方のバズフィードは、ハフィントン・ポストの共同設立者だった現CEOのジョナ・ペレッティ氏が06年に設立。エンターテインメント系のコンテンツを強みとし、近年はニュース配信にも力を入れている。
米バズフィードは19日に公式サイト上で、バズフィードがハフポストを買収し、ベライゾンのメディア部門「ベライゾン・メディア」がバズフィードの少数株主となることを発表した。
今回の合併によるメリットについて、発表の中で「消費者の新たなショッピング体験の促進から、コンテンツのシンジケーション、革新的な広告商品まで、このパートナーシップにより、両メディア企業は新たな収益機会を得ることができます」(以下、編集部訳)とした。今後のメディア運営については「BuzzFeed NewsとHuffPostは、別個のニュース組織として運営されます」としている。
一方で、米ニューヨーク・タイムズ電子版は11月19日に「BuzzFeedとHuffPostは、ここ数年、レイオフ(一時解雇)を繰り返しており、苦戦を強いられている」と経営状況の悪さを指摘。米ブルームバーグは7月24日、バズフィードがコロナ禍による採算悪化を受け、今春に一時帰休としていた従業員74人のうち50人をレイオフとした他、従業員の年末までの減給、不動産賃貸契約解除などのコストカット策を進めていることを報じていた。