トランプ支持を知られたくない人たち
その後、トランプ氏と支持者のテーマソングとも言える「Y.M.C.A.」の音楽に合わせて、歌い踊り、合衆国議会議事堂、さらに合衆国最高裁判所に向かって行進し始めた。
地元ワシントンに住む女性2人(20代)は、「ここにいるのを知り合いに見られたら、大変だわ」と笑った。トランプ氏に投票した有権者はわずか5.5%という、極めてブルー(民主党色の強い)の街なので、トランプ支持を知られたくない人は多い。
兄と一緒に来ていたシアデ(42、東部メリーランド州ボルチモア)はエチオピアで生まれ、5歳の時に移民として家族とともに米国に移住した。
「民主党支持の友達にいくら説明しても、私たちがトランプにだまされていると言うだけで、まったく理解できないらしい。彼らは人種問題などについても表面的で単純な見方しかできなくて、まるで3、4歳の幼児に話しているみたいだから、もうわかってもらおうとするのはあきらめたわ。でも、今回、ここで会った人たちとは、すぐに通じ合えるの」と言う。
トランプ支持者たちはその夜遅くまで、星条旗やトランプ支持の大旗を翻して街じゅうを歩き回り、ワシントン記念塔やホテルの前などで立ち止まっては、右手を左胸に当てて星条旗に向かって「忠誠の誓い」を暗誦し、国歌や「God Bless America」を歌い、トランプ氏の勝利を誓い合っていた。