だしパックの「通常と違う使い方」
東京都福祉保健局の食品監視課担当は17日、J-CASTニュースの取材に「通常食中毒の原因になる魚のメニューが、今回の給食にはありません。そこで、だしパックに魚が原材料で使われているので、原因の可能性の1つとしてあがりました。だしパックやだし汁が原因とは断定していません」と話す。「今までだしパックが原因で食中毒が起きたという事例はこちらで把握していません。(だしパックの煮すぎは)あくまで可能性の1つです」と強調している。
前出の発表にあった「100グラム中5ミリグラム」というヒスタミンの検出量は、食中毒の原因となるには少ない量であるため、「だしパック自体に問題はなかったと考えている」と前出担当者。一方、煮だし時間がメーカーの表記より長かったという「通常と違う使い方」をしていたことから、「もともと魚に含まれていたヒスタミンがだし汁に移行した可能性があります。だしをとる際に魚の成分が抽出されますが、ヒスタミンは水溶性なので、一緒に抽出された可能性が考えられました」としている。
また、「子どもの場合は大人より感受性が高く、少ない量でも食中毒を呈することがあります。実際、今回の給食は大人も食べていますが、大人には食中毒が出ていません」とも説明した。だしパックを煮過ぎることでヒスタミンが抽出されるかどうかを検証する実験をするかどうかは検討中という。
給食施設を処分した墨田区の生活衛生課担当は、取材に「『きつねうどん』からヒスタミンが検出されたのは事実で、そのためアレルギー症状が出たので営業停止処分としています」と話した。今後「市販のだしパックで実証実験するのを視野に入れ、東京都と調整しています」という。