「弊社グループの社員が支援対象者様の求めに応じて作成し、配布」
ツイートによると、写真の履歴書見本は、失業した生活保護申請者が11月13日に渡されたという。小川前市議は16日、J-CASTニュースの取材に対し、申請者の30代ぐらいの男性からは、稼働年齢層のため就労指導が必要だとして市の平野区保健福祉センターで見本を渡されたとの話を聞いたと明かした。
「市の窓口サービスは、パソナの派遣社員に次々に置き換えられています。この方は、派遣労働のあり方や会社の会長発言にいい印象がなかったので、見本に『パソナ太郎』と書かれていてびっくりしたと言っておられましたね」
大阪市の保護課は16日、生活保護受給者や生活困窮者らの就労支援を行う総合就職サポート事業の受託企業3社のうち1社がパソナだとし、同社は市の9区でサポートを行っていると取材に説明した。
この履歴書見本は、19年5月1日現在と見本に記されたときから、パソナ側が9区の支援員すべてに渡し、必要に応じて対象者に渡していたという。履歴書を1回も書いたことのない人には記載例を見せた方がいいとの判断があったそうだ。
「この事業のためではなく、同様な事業をしていたときの見本を参考にして作成したということです。分かりやすくするために説明に使ったものですが、企業名が出ており、適切でない部分はあったと思っています。不快に思う方もツイッターなどで見られるため、見本の内容を見直していると聞いています」
パソナグループの広報部は17日、取材に次のようにコメントした。
「ご指摘の履歴書見本ですが、弊社グループの社員が支援対象者様の求めに応じて作成し、配布をしたものとなります。
また、受託している9区で希望者のみに配布しているものであって、全員に配布しているものではございません。またその内容は、本事業を受託している組織において、過去の事例などを参考に独自に見本を作成したものであり、各担当者自らが作成しているものではありません。
今回の履歴書見本に関しましては、支援対象者様のお役にたてればと作成されたものでしたが、ご利用者の気持ちに沿っていないような表現もありますので、大阪市様と協議の上、見直しを進めております」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)