「ゲームであれば具体的な映像を保護しています」
今回の事例で注目された、キャラクターに扮するコスプレでの商業ライブ公演や、コスプレ写真を用いたグッズ販売は、一般論として仮に権利者の許諾なく行っていたとしたとしたら、何らかの法律に抵触するのだろうか。J-CASTニュースは、G&S法律事務所の上岡弘明弁護士に取材した。上岡弁護士は、
「皆さんがまず思い浮かべたのは、著作権侵害ではないか?という点だと思います。しかし実は、キャラクターとよく似た衣装を着て活動をすることは、それが営利活動でも、著作権侵害にはならないことが多いです」
と指摘した。さらに、
「著作権というのは抽象的なキャラクターを保護しているわけではなく、ゲームであれば具体的な映像を保護しています。ゲーム内の2次元の映像と、3次元の衣装を着た現実の人間だと、確かに抽象的な意味で同じキャラだとは気づきますが、見た目はかなり隔たりがありますね。
有名なゲーム会社がゴーカートの会社を訴えた某事件でも、お客さんにキャラのコスプレを貸し出して着ている写真をWebサイトに掲載した行為について、著作権侵害は認められませんでした。2次元映像とお客さんの写真では似てないというわけですね。
そのため、キャラクターの衣装を用いてライブ公演を行ったり、コスプレ写真を用いたグッズの販売をしても、著作権侵害にならない可能性の方が高いです。
もちろん、リスクはあるので、積極的にお勧めできる行為でないことは確かですが」
と解説。しかし、状況によっては、著作権法とは別に不正競争防止法に抵触する可能性があるとも述べた。