「テトラポット」がOKだった理由
もちろん、例外もある。実は先ほど登場した放送法83条には続きがあり、「前項の規定は、放送番組編集上必要であつて、かつ、他人の営業に関する広告のためにするものでないと認められる場合において、著作者又は営業者の氏名又は名称等を放送することを妨げるものではない」とされる。つまり、「広告のため」でないなら、商品名などを出しても問題ないということだ。
たとえば2000年の紅白では、歌手のaikoさんが「ボーイフレンド」で出場したが、歌詞にある商品名「テトラポット」はそのままに。「個人消費するものではない」というのもOKの理由だったという(スポーツ報知、2000年12月14日付)。
一方で2006年にはグループ魂が「君にジュースを買ってあげる」で、具体的な商品名を含む歌詞の部分を、審査員の琴欧州関(現・鳴戸親方)とのやりとりに変えるという、タブーを逆手に取った演出に。しかも琴欧州関に「ブルガリアヨーグルト」と口にさせてしまうという「おきて破り」を演じて、話題を呼んだ。