新型コロナウイルスの影響で海外旅行が難しい状況が続くなか、日本航空(JAL)は2020年11月14日、ハワイ気分が味わえるチャーター機を羽田空港から運航した。
同様のチャーター機は、全日空(ANA)が「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU」(フライングホヌ)の愛称で知られる超大型旅客機のA380型機を使って、過去に2回運航している。コロナ禍以降、JALは機内から日の入りを楽しめる「空たび 星空フライト」などを運航してきたが、ハワイをテーマにしたフライトを運航するのは初めて。機体には、国際線用のボーイング787-9型機に人気アイドルグループ「嵐」のメンバー5人の顔写真をペイントした「ARASHI HAWAII JET」が使用された。
かつての「リゾッチャ」キャンペーンを再現
JALは1990年代から2000年代にかけて「乗った時からリゾート気分」をテーマに展開してきたキャンペーン「リゾッチャ」を展開していた。搭乗ゲートには、当時のポスターやグッズ、モデルプレーンを展示。機内では、リゾッチャの制服を着た客室乗務員(CA)がハワイ線で出されている機内食を配り、かつて行われていたビンゴ大会も復活させた。
米ハワイ州では、訪問者に義務づけている14日の自主隔離の緩和を進めている。日本からの訪問者についても、事前に医療機関で陰性証明書を取得すれば自主隔離の対象外だ。ただ、帰国後は引き続き14日の待機が必要で、ハワイ旅行のハードルは引き続き高い。乗客からは「コロナが終わったらハワイに」といった声も相次いだ。
フライトには乗客176人が搭乗。販売座席数の7.5倍以上の応募が寄せられた。10時頃に羽田空港を出発し、鳥取、島根、山口、福岡各県の上空を通過。熊本県上空で東方に折り返し、12時30分頃に羽田に戻った。
ハワイ線用に投入された「ARASHI HAWAII JET」は、「FLYING HONU」と同時期の19年5月にお目見え。両社のハワイ線をめぐる競争が激化するとみられたが、大幅な減便が続いている。最近は羽田とデリー、台北、香港などを往復していたが、久々に「ハワイらしい便」として運航された。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)