WBC王者ネリ、WBO王者レオでは...
アフマダリエフは屈強な上半身を持つサウスポーで、ローマン戦では強打に加えてタフネスも証明した。軽量級のトップアマとしては珍しく荒々しい好戦的なスタイルで、ローマン戦では左右フックを大振りするシーンが何度もみられた。防御に関しては甘さが目立ち、井上が付け入るスキは十分にあるだろう。ただプロ8戦目にして2本のベルトを獲得したポテンシャルは決して侮れず、井上の将来的な「ライバル」となりうる存在だろう。
WBC王者ネリとWBO王者レオは井上の「ライバル」王者としては実績に欠ける。スーパーバンタム級での実績がないまま王座決定戦でベルトを手にしたネリは、タイトル戦でパワー不足を露呈するなどスーパーバンタム級に対応する体を作るのに時間がかかりそうだ。レオもまた王座決定戦によって王座を獲得した王者のため、その実力は未知数で今後、世界のトップクラスとの対戦で実力を見極める必要があるだろう。
井上との対戦を熱望しながらフェザー級に階級を上げたエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)も面白い存在だ。スーパーバンタム級時代に井上戦をアピールしていたが、減量苦のため階級を1つ上げてフェザー級でWBO王座を獲得。32勝のうち27KOをマークする強打者で、年齢も25歳と若い。井上がフェザー級に上げるまでフェザー級に踏みとどまっていれば、間違いなく井上の「ライバル」となるだろう。