京都橘大教授、「妊婦侮辱」ツイートで批判殺到 「私の至らなさによるものと深く反省しております」【追記あり】

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   妊娠中の女性に関し、京都橘大学発達教育学部の池田修教授がインターネット掲示板の書き込みを引き写しながらツイッターに投稿した内容をめぐって、批判の声が相次いだ。池田教授は投稿を削除のうえ、「わたしの意図とは結果的に大きく乖離」した投稿になってしまったとして謝罪。だが、「わたしの意図」が判然とせず、説明を求める声がなおも寄せられた。

   J-CASTニュースが京都橘大広報を通じて取材を申し込んだところ、池田教授は、2020年11月13日中に自身のブログで投稿の真意を説明したい、との考えを示した。

   (13日20時45分追記)池田教授からメールを通じて回答があったため、一部追記を行いました。

  • 池田修のツイッターでの謝罪投稿より
    池田修のツイッターでの謝罪投稿より
  • 池田修のツイッターでの謝罪投稿より

「女性蔑視の言葉をそのまま引用してまで言いたかったことが...」

   批判を浴びたのは、池田教授が2020年11月12日に投稿した下記2本だ。

「電車で座っいたら、中出しマークつけたニンプリンセス(笑)が席を譲る要強要してきた。
子供は国の宝だとか、子供は社会で育てるものだとか、世の中の男はママに優しくないとか、あんたの年金はこの子が稼ぐとか、まぁ言いたい放題。
俺は静かに言ってやったのよ」
「『わからないのも無理は無いけど、私は本当は右足が一本しか無いんですよ』
ニンプリンセス(笑)は舌打ちして次のターゲットに移っていったよ。
嘘は、ついてない。

確かに嘘はついていない。すごいリターンだ」(すべて原文ママ)

   妊娠中の女性を蔑む、口にするのも憚られる言葉の数々に、「これは全てにおいてダメだろ」「貴方がどれほど不快な思いをされたか分かりませんが、妊娠されている女性をそのような言葉で表現されるのは、大変不愉快です」など批判の声が多数寄せられた。

   一方でこの投稿、「◆」以前の文章に対してそれ以降で感想をつづっているように読める。ネットで探してみると、「◆」以前の「電車で座っいたら(中略)嘘は、ついてない。」という部分については、実際にネット掲示板5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)のスレッド「胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(104)」で、11年11月15日にまったく同じ文章が書き込まれていた。池田教授自身が発した言葉は「確かに嘘はついていない。すごいリターンだ」という部分のみになる。

   だが、そもそも出典が書かれていないうえ、特に1本目は引き写してきた文章のみで構成されている。「◆」以前も池田教授自身の言葉のように読めることに変わりはなく、「すごいリターンだ」が何を意図しているのかも不明瞭だ。

   池田教授は国語教育学や教育方法学を専門にしている。上記投稿の前段は掲示板から引いてきたものだと察しているユーザーからも、「女性蔑視の言葉をそのまま引用してまで言いたかったことが『すごいリターンだ』ですか? これまで言葉を大切にと訴えて来られた方なのに、なぜ女性蔑視の言葉にはそこまで無関心、蔑視寛容なんでしょうか?」「内容的にどうかと思う文章を引用であることを明確にしないで肯定的にツイートするってなんだかなあと思います」といった批判の声が多数寄せられている。

「わたしの意図とは結果的に大きく乖離した投稿になってしまい」

   池田教授は20年11月12日中に上記投稿を削除。ツイッターで次のとおり謝罪した。

「先程多くの方を不快な気持ちにさせる引用をしてしまいました。たくさんの方にご迷惑、ご心配をおかけすることになり、誠に申し訳ありませんでした。わたしの意図とは結果的に大きく乖離した投稿になってしまい、たくさんの方にご迷惑、ご心配をおかけしたこともあり、投稿は削除させていただきました」

   しかし、「引用」としているが引用元が示されておらず、「わたしの意図とは結果的に大きく乖離」の真意も判然としない。謝罪投稿には、なおも説明を求める声が次のように相次ぎ寄せられた。

「女性と身体障害者に対する差別的投稿を好意的に紹介したのだから、意図から乖離なんてしていないでしょう」
「妊婦を侮辱する醜悪な女性差別発言に対して問題だと感じる事なくただただその返しに対して『すごい』等と大学教授の立場で肯定する意図は確実にありましたよね。しかも、健常者が障害者のフリをして席を譲らないという醜悪な内容ですよ」
「ご心配や不快レベルじゃない、侮辱発言と認めて謝るべき。妊婦さん屈辱的な呼び方に疑問持たず、席を譲らない返しを広めたのは、引用元と同じ女性蔑視視点から」
「『わたしの意図』は何だったのか、ご説明願えますか。『中出しマーク』『ニンプリンセス(笑)』という侮辱的な言葉を一切の批判なく引用し、また、まるで障害者と誤解させるような言い回しをすごいリターンだと評価した意図は、一体何だったのですか。どのような意図でこの話を紹介したのですか」

池田教授に取材を申し込んだ

   J-CASTニュースは13日昼、京都橘大学企画広報課を通じ、(1)削除した最初の投稿の意図(2)「確かに嘘はついていない。すごいリターンだ」の意味(3)謝罪投稿にある「わたしの意図」の真意(4)批判をどう受け止めているか――について、池田教授に取材を申し込んだ。

   電話で直接話したい旨を伝えたが、広報によると、池田教授は「電話での取材は控えさせていただきたい」として受けなかった。上記の個別の質問にも答えないという。一方、今回の件についての説明を、13日中に自身のブログに投稿する予定だとしている。

   13日20時20分現在、池田教授のブログに新たな投稿はない。更新されれば追って伝える。

   (13日20時45分追記)池田教授からメールを通じて、下記のように回答があった。

「この度は、昨日の私のツイッターにおける不適切な投稿で、多くの皆様に不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。

この投稿で引用したものは、以前にネット掲示板に書き込みされていたもので、書き込んだ人の意図はともかく、妊婦さんや身体に障がいを持つ方への蔑視の助長につながるものでした。

私としては、<切り返し>の部分だけに着目してしまい、そうした社会的配慮を欠くことにきちんと目がいっていなかったことで、不適切なものを引用してしまいました。また、すぐに引用と判断できないような記述をしたことで、引用箇所が私自身の記述であるような印象を与えてしまったことも、私の至らなさによるものと深く反省しております。不注意でした。

出典を明記することもなく、また、内容を詳しく読み返すこともなく、多くの方が見るTwitterに投稿したことは、単純に不注意で済まされるものではありません。この投稿で気分を害された方、不愉快な思い、悲しい思いを抱かれた多くの方々に改めて深くお詫び申し上げます。

今後は、投稿する内容を確認しながら、適切にインターネットの活用をしていく所存です。大変申し訳ございませんでした」
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