井上尚弥の「統一戦略」にも影響が? 王者ウバーリ「欠場」報道でWBC王座混迷

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   ボクシングのWBC世界バンタム級タイトル戦が中止になる可能性が出てきた。米専門メディア「Boxing Scene」が2020年11月12日、報じたもので王者ノルディ・ウバーリ(フランス)がビザの問題によって渡米が困難な状況にあるという。当初は12月12日(日本時間13日)に米コネチカット州で同級1位ノニト・ドネア(フィリピン)を相手に防衛戦を予定していたが、ウバーリがリングに立つことは難しいという。

  • 井上尚弥
    井上尚弥
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ドネアVSロドリゲス戦が暫定王座決定戦に?

   「Boxing Scene」によると、タイトル戦の「代替」として12月19日にドネアと前IBFバンタム級王者でWBC同級4位エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)のカードが予定されているという。WBCによる正式なアナウンスはないものの、この試合が実施されれば暫定王座決定戦になる可能性もある。

   ドネアVSロドリゲス戦が暫定王座決定戦になる可能性の要因として、ロドリゲスへの「救済措置」が考えられる。ロドリゲスは2019年11月にWBCバンタム級挑戦者決定戦の出場を予定していたが、対戦相手のルイス・ネリ(メキシコ)が前日計量で体重を超過し中止となった。WBCは体重を超過したネリにスーパーバンタム級王座決定戦出場の機会を与えていることから、同様にロドリゲスに対してもチャンスを与える可能性がある。

   ロドリゲスはネリ戦がキャンセルになったこともあり、1年以上リングから遠ざかっている。最後の試合となったのは、2019年5月に行われたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝戦で、この時はIBF王者としてWBA王者・井上尚弥(大橋)と対戦し2回TKO負けを喫した。ロドリゲスにとってドネア戦は約1年7カ月ぶりの試合となる。

WBC正規王者決定は早くても来春以降か

   WBC王座は4団体統一を目指している井上がターゲットとしている王座でもあり、ウバーリの「欠場」が正式に決まれば井上の今後に影響を及ぼすことになりそうだ。WBCが暫定王座を設けた場合、正規王者ウバーリはドネアVSロドリゲス戦の勝者との王座統一戦をクリアしなければならず、そうなるとWBCの正規王者が決まるのは早くても来春以降となるだろう。

   スケジュール的にみれば、井上は10月31日(日本時間11月1日)にタイトル戦を行っているため次戦は来春が見込まれる。保持するIBFの指名試合を視野に入れながらWBC、WBO王座の統一を目指していくわけだが、WBCのタイトル戦がずれ込めばWBC王座統一は次戦の選択肢から外れ、IBFの指名試合もしくはWBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)との王座統一戦の可能性が高くなるだろう。

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