優先的に接種するのは「医療従事者、高齢者、基礎疾患がある人」
日本政府はファイザー以外にも、国外の2社と基本合意や契約を結んでいる。20年8月に英アストラゼネカ社と21年初頭からワクチン1億2000万回分の供給を受け、そのうち3000万回分については21年1~3月に供給を受けることで基本合意している。20年10月には、米モデルナ社と、21年1~6月に4000万回分、7~9月に1000万回分の供給を受けることで正式な契約を結んでいる。仮にアストラゼネカとモデルナも開発が進んで、計3種類のワクチンが出回った場合、「有効率が高いワクチンを接種したい」という声も出そうだ。
加藤氏はこの点について、「検討がなされている」とするにとどめた。
「複数のワクチンが並行して供給されるようになった場合において、どうワクチンを供給するのか、国民の皆さんから見たら選択ができるのか、については、現時点で『こうだ』という考え方が固まっているわけではない。厚労省において、今申し上げた供給量や供給の時期、あるいは接種体制、こういうものを総合的に勘案して、どのようにワクチンを供給していくのか、また接種していくのか、そういったことについて検討がなされていると考えている」
現時点でも比較的はっきりしているのは、「誰が先に接種を受けられるか」だ。11月9日に開かれた厚生科学審議会の会議では、医療従事者、高齢者、基礎疾患がある人に優先的に接種する方針を確認している。妊娠中の女性については、現時点で行われているワクチンの治験の対象外となっており、安全性・有効性が現時点で明らかではないとして、現時点での判断を見送っている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)