東京五輪「試金石」の体操国際大会で、疑問の「感染対策」 小池都知事も紹介「除菌のミストシャワー」は有効で安全なのか

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「対応機器の前での個人の選択ができる機器であることを確認し、設置」

   厚労省結核感染症課の担当者は9日、J-CASTニュースの取材に、体に除菌剤を吹きかける方法は「推奨していない」とし、「こちらで知る限り、空間噴霧したり体に吹きかけたりして使うもので、有効性・安全性が確認され医薬品として承認を得ている消毒薬は現状ありません」と話す。

「一般論として、ウイルスや細菌を攻撃するものには細胞毒性があります。空間噴霧をして何らかの効果があるレベルの濃度になれば、人の体に入った時も影響が出ると考えられます。逆に人体に影響がない程度まで濃度を下げたら、ウイルスに対する効果もなくなると考えるのが一般的です」

   感染対策として除菌のミストシャワーを取り入れたことについて、東京都オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部の担当者は取材に対し9日、「大会は日本体操協会が運営しており、協会の判断で感染対策も実施しているため、こちらで詳細は分かりかねますが」とした上で、「人体に悪影響がないものを使っていたと認識している」と話した。

   日本体操協会の広報は10日の取材に、8日の大会におけるミストシャワーの具体的な運用方法を明かした。

「ご提供いただいております製品に関して、設置場所として、選手動線 入り口及び、メディア動線 入り口 に設置いたしました。製品は、検温・手の除菌・ミストシャワーの3点が1つの器機に内蔵されている製品となっており、ミストシャワーに関しては、ボタンを押すことで使用できる形で、常に噴霧されるものではないため、設置に至りました。(個人で選択式の噴霧)」

   前出のとおり厚労省では推奨されていない消毒・除菌方法とみられるが、「会場内に蔓延させる噴射ではなく、対応機器の前での個人の選択ができる機器であることを確認し、設置」したという。

   安全性に関しては「ご提供いただきました会社よりご説明をいただいており、今回の設置をさせていただいております。『内容液』も含め提供業者より説明をいただきましたが成分については、早急に確認の上、関係機関にも報告させていただきます」としている。

   同協会は「今後の大会に関しては、『空間噴霧』の安全性に関して、慎重に検討し対応していきたいと思います」として、安全に選手が参加でき、来場者が観戦できる環境を整えていくと述べている。

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