視聴者から課せられた「高いハードル」を飛び越えられないと...
まず、井上氏は、お笑い芸人が普段からおかれている「立場の特殊性」を挙げつつ、お笑い芸人が「おもんない」とツッコまれてしまう理由を説明した。
「『これぞお笑い芸人の宿命』と言えばそれまでですが、やはり、お笑い芸人はテレビでの発言はもちろん、ツイッター上においても常に『おもしろくあること』を視聴者から要求されています。翻って、今回の2人のツイートですが、『トランプ大統領は落ち着いてると思うが』『グレタさんが一字一句変えないからジョークが成立してるんだけどな』と、どうにも『普通』。一般人から『俺でもツイートできる』とすら思われかねません。これでは『おもんない』のそしりは免れられないでしょう」
続けて井上氏は、視聴者からお笑い芸人に向けられる「期待感」こそが、「おもんない」とのツッコミが殺到してしまう理由であると、次のように説明した。
「このように、お笑い芸人に対しては視聴者から相当高いハードルが常に課せられているわけですが、仮に、このハードルを越えることができたならば、今度は逆に称賛されるのです。芸人も一有権者なので、政治に対しては『普通過ぎるツイート』や『マジレスのようなツイート』をしても何ら問題はないのですが、やはり、視聴者は『面白いツイート』『ギスギスを解消してくれるツイート』を期待しているのです」
「そう考えると、例えば、大阪都構想否決の速報の直後など、視聴者がギスギスした感情を抱いている最中に『フフッ』っと笑えるツイートをしたりしたら、絶賛の嵐となったのではないでしょうか。お笑い芸人は『普通な発言が許されない』という、多少気の毒な職業ということになってしまいますが、やはり、そこは視聴者からの期待が表れているからこそのハードルの高さなのです」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)