政界では「軽乗用車」志向も
スバルであれば「レガシィB4」、ダイハツであれば「アルティス」というセダンが存在する。ダイハツのアルティスは知名度が低く、町で見かけることはめったにないが、「トヨタカムリ」のOEMで、ダイハツのフラッグシップカーだ。黒塗りなら大阪府の公用車として立派に通用するだろう。
スズキは2015年まで「キザシ」というセダンを販売していた。スズキが北米や欧州市場に投入したモデルだが、日本での知名度は今一つで、売れ行きもサッパリだった。
しかし、堂々とした風格のキザシは警察の捜査用車両に採用されたため、知名度が上がった。「キザシを見たら覆面パトカーと思え」という都市伝説が生まれたほどだ。そんなキザシであれば、静岡県知事の公用車でもおかしくなかったのだが。
朝日新聞によると、知事ではないものの、名古屋市の河村たかし市長は市長公用車をトヨタプリウスから軽乗用車に替えたという。
近年の軽は、ダイハツタントやスズキスペーシアに代表されるようスペース効率が高く、リアシートの広さなどクラウン顔負けだ。静岡県や大阪府がスズキやダイハツの軽を知事公用車として使っても、よいのではないか。
事実、自民党国会議員の中には軽を運転手付で東京都内の移動用に使っている例もある。「東京都内の移動には小回りが利き、クラウンなどより使いやすい」と、ある国会議員は語っている。
都道府県知事に限らないが、政治家の公用車は時代とともに見直されてよい。トヨタアルファードに次ぐ公用車のトレンドは何になるのだろうか。