全国47都道府県知事の公用車を朝日新聞が調べたところ、最も多かったのは「トヨタアルファード」の19都道府県だった。アルファードの姉妹車「トヨタヴェルファイア」は7府県で、両車を合わせると26都道府県となり、トヨタの大型ミニバンが過半数を占めた。
かつて知事ら政治家の公用車は「トヨタセンチュリー」や「日産プレジデント」が定番だったが、近年はアルファードやヴェルファイアのような大型のミニバンが人気を呼んでいる。
アルファードが「定番」なのは...
ミニバンとは米国発祥の用語で、大型の「フルサイズバン」より小さな1ボックスか2ボックスのワゴンを指す。アルファードやヴェルファイアは居住性が高く、トヨタの中で「レクサス」や「クラウン」と並ぶ高級車であることから、公用車に採用されているようだ。
都道府県知事の公用車の調査は、朝日新聞が全都道府県に尋ね、10月29日付朝刊で報じた。その47台のデータから公用車を取り巻く変化を読み取ることができる。
かつて定番だったトヨタセンチュリーは千葉、石川、愛知、兵庫の4県のみで、日産が2010年に生産を終了したプレジデントは皆無だった。
日産はお膝元の神奈川県が「シーマ」、茨城県が「エルグランド」を使っているだけで、知事公用車に占める地盤沈下は明らかだ。
47都道府県の知事の公用車をメーカー別に見ると、アルファード、ヴェルファイアはじめ、レクサス、センチュリー、クラウンなど39都道府県がトヨタ車で、全体の8割を占めた。
少数ながら特筆に値するのは、広島県と山口県がいずれも「マツダCX-8」を使用していることだ。広島県は言うまでもなくマツダの本拠地で、隣接する山口県にも生産工場や試験場がある。広島、山口両県がセダンの「マツダ6」ではなく、SUV(スポーツ用多目的車)のCX-8を採用したのは、時代の流れということだろう。