2020年11月7日午前11時半頃(現地時間)、「バイデン勝利」のニュースが流れた瞬間、ニューヨークの街のあちこちから歓喜の叫びと拍手、クラクションの音が湧き起こった。
鍋とお玉を手に家から飛び出してきた女性、通りすがりの人にジュースや花を差し出す人たち。言葉をかけ、喜びを分かち合う見知らぬ人同士。ある女性は、「今日は2020年で最もハッピーな日」と私に語った。一方、選挙結果を認めないトランプ支持者たちの姿はこの日、ニューヨークから見えなくなった。
住宅地の沿道に繰り出す住民
ニューヨーク・マンハッタンの中心地で警官と立ち話していると、突然、あちこちから通行人たちが一斉に歓喜の叫び声をあげ、拍手し始めた。前を通る車が皆、クラクションを鳴らし続ける。主要メディアが相次いで米大統領選でバイデンの勝利を報じた瞬間だった。
住宅地も同じだった。沿道には見知らぬ人同士が集まり、飛び上がり、手を振り、歌い踊り、喜びを分かち合っている。通り過ぎる車はやはり、クラクションを鳴らし、感動を表現する。
お玉で鍋をガンガン鳴らして音を立てていた中年女性は、「家にじっとしていられなくて、出てきたのよ。こんなことしてるの、私たちだけ?」と聞くので、「どこの街角も同じよ」と伝えた。
窓から身を乗り出し、口笛を吹いたり、叫び声をあげる人たちの姿もあった。
その先の角でも、他人同士が集まり、歓声をあげている。女性がみんなに差し入れの缶入りのマンゴ水を配っている。男性が水色のシャツを脱ぎ、8の字を書くように振り回している。
ブルックリンから来ていた青年は、「外で歓声が聞こえたから、目が覚めた。何事かと思ったよ」と笑った。数十階のアパートの窓から歓声が聞こえたという人もいた。